「目標はネイティブスピーカー」本気ならスマホでTED Talksを見よう。【ワンランク上を狙う英語学習法】

TED Talksはもう英語学習における定番になったかもしれません。

 

2010年、20代半ばだった私は、メーカーの海外営業部で働いていました。
当時のTOEICスコアは確か790点。
決して低いスコアではなかったのですが、英語に対しての葛藤がありました。

 

800点にはあと一歩とどかず、仕事でも欧米系の客先や代理店とのコミュニケーションでは速さに圧倒され、自信を持てない。

TOEICの参考書を使って毎日勉強しているのに、今一つ突き抜けられない。
海外と対等に英語で渡り合えるビジネスマンをイメージして入社したのに、現実は上手くいかなくて、自分の英語に対するフラストレーションが大きくなっていました。

 

ある日の帰り道、PRESIDENTだったか、東洋経済だったかビジネス雑誌を立ち読みしていた時にTED Talksの紹介が載っていました。
すごく小さいコラムでしたけど、気になって、家で早速観たのを覚えています。

 

登場するプレゼンターの立ち振る舞い、洗練されたスライド、TOEICではまず出てこないクールなフレーズに即効で魅了されました。
「オレもこんな英語を使えるようになりたい!」そう思ってから毎日、通勤時間に動画を見まくって、家では音読しまくりました。何度も何度も。

その中で、自分なりに学習方法をチューニングしながら、5本、10本、20本と数をこなしていきました。
その効果があって、TOEICは820点、880点、905点と、2011年までにスムーズに上昇。仕事でアテンドしたアメリカ人のお客さんからは「何州に留学していたの?」と聞かれるまでになりました。

 

そんな実体験から言えば、履歴書の飾りとしてのTOEICスコアではなく、リアルなコミュニケーション・ツールとしての英語、ー それも、アジア人同士の”second language”としての妥協に満ちた英語としてではなく、ネイティブに対して通用するもの ーを身に着けたいのなら、8年が経過した今もなお、TEDは日本国内で利用しうる英語学習ツールの中では、最適といえます。

 

前置きが長くなりましたが、今回は、

 

・TEDとは何なのか?
・その魅力とは何なのか?
・ネイティブ・レベルを目指すための最適な活用法は何か?
・絶対に見ておくべきオススメ動画は何か?

 

これらについて説明します。

 

目次

そもそもTEDって?

 

TEDは、様々な分野のエキスパートが、ideas worth spreading(広める価値のあるアイディア)を世界にシェアするための場であり、同時に、その内容を世界に動画で無料配信する非営利のプラットフォームを指します。

 

1984年にテクノロジー、エンターテイメント、デザインといったジャンルに特化した会議体として始まったようですが、今では非常に多くのジャンルをカバーしています。

 

例えば、睡眠と仕事のパフォーマンスの関係であったり、子供と言語習得についての話であったりジャンルは実に様々です。

 

もう少し詳しく言うと、TEDには様々なプロジェクトがあります。
TED Talks, TED Conference, TED xなど。
少し紛らわしいので、主なものを説明します。

 

TED Talks:

よく「TEDの動画で英語を学習しよう」と言われているのは、TED Talksの事です。
様々なジャンルの専門家によるプレゼンを配信する無料動画プラットフォームです。

 

TED Conference:

これがTEDの最も中心的な活動。
年に一度、カナダのバンクーバーで開催され、5日間にわたって約70名のプレゼンターが登壇します。オーディエンスは1,000人強と言われています。

つまり、TED Conferenceでのプレゼンを動画配信しているサイトがTED talksという事です。TED Conferenceはリアルイベントの話。TED Talksはメディア・プラットフォームの話。

 

TEDx:

TEDのWEBサイトを見ていると”TEDx”というのが目に付きます。
これは何かというと、フランチャイズ形式のTEDローカルイベント、という位置付けです。
どういう事かというと、このTEDxはそのあとに地名などがきて、TEDxTokyoだとかTEDxSapporoといった表記で使われるのですが、TEDの精神(Ideas worth spreading)を受け継いで開催されるTEDからライセンスを受けた地域のコミュニティです。

地域のくくり以外でもTED x Todai(東大)やTED x Waseda(早稲田)など大学単位でのコミュニティも存在します。
あくまでフランチャイズなので、TED ConferenceのようにTED本家が運営しているワケではありません。

TED Conferenceでの登壇がメジャーだとすると、こっちはインディーズみたいな位置付け(?)ですかね。

例えばTED xTohokuでは震災の経験から生まれたアイディアがたくさんシェアされるなど、地域独自の価値が生まれています。

 

TEDxでのプレゼンもTEDx Talksという形で無料配信されていますので視聴可能です。

 

英語学習を最大加速させる。TEDの普遍的な魅力とは?

 

ここで改めて、私が思うTEDの魅力を語りたいと思います。

 

Study & Learnのハイブリッドで秀逸

 

いきなりですが、Study EnglishとLearn Englishはどう違うでしょうか?

 

私の個人的なとらえ方ですが、study(勉強)は参考書を見て、単語を覚えて、、、といったタイプのもので、TOEICの対策などが典型かと思います。
英語を身に着けるための練習で、英語そのものが目的になっているとも言えます。

 

一方で、learn(学ぶ)は、studyよりも「体験」に近いものだと考えています。
「英語を身に着ける」というより、「英語を使って何かする」っていうイメージです。
ここでは、英語はあくまで情報伝達の手段です。
英語で映画を楽しむ、英字新聞を読んで情報収集をする、外国人の友人と食事をする、海外旅行を楽しむ、など。

 

日本人が日本で英語を身につけようとする場合、多くの人はstudyばかりに注力しがちです。でも、studyはお世辞にも楽しいものではありません。
単語は覚えられないし、構文はよくわからないし、TOEICのリスニング問題は早すぎて解けやしない、、、こういった事が重なってモチベーションは下がっていきます。

 

一方、learnは楽しいです。
海外ドラマを見て楽しい。映画を見て楽しい。言ってる意味が多少わからなくても、外国人とワイワイ飲んで楽しい。旅行をして楽しい。

 

英字新聞やTIME誌を読んだりするのも、そりゃ全部を読もうとしたらハゲそうなくらい大変ですけど、気になる記事だけ読むだけならできますし、英語で情報をインプットしている自分にちょっとテンションあがったりして楽しいです。

 

そういうのを「英語かぶれ」とか言ってバカにする人もいますけど、そんなのはノイズ。
自分が楽しめていればいい(英語にかぶれてる人をバカにする人ほど、英語にコンプレックスがあるもんです)。

 

studyとlearnはどちらかが重要というモノではなくて、両方必要です。
studyあってのlearnなので。

 

「日本人は単語とか文法ばっかやってるから英語ができないんだ!恥ずかしがらずにもっとコミュニケーションを取れ!」

 

というのも正論のようで暴論。
これを言うのは大体日本人なんですけど、やっぱりある程度の基礎は必要です。

 

ただ、一理あるのはstudyだけでは続かないということ。
苦しいだけですから。
studyでインプットした知識がlearnという場で形になったとき、つまり、「言いたい事が通じた!」「聞き取れた!」「SNSでやりとりできた!」みたいな時に。小さい感動が生まれて、その連続がモチベーションになっていきます。

 

そして、TEDの凄いところはstudyの材料としてもlearnの材料としても最適だという点です。learnの観点でいうと、英語を通じて、最新の刺激的な情報にアクセスできることです。ビジネス書籍で自己啓発する事を英語でやっちゃうようなイメージです。

 

なんかカッコいい。
くだらないようですが、それが凄く大事。

 

じゃあ、study的にはどうなのか?については次で説明します。

 

多様なジャンルが英検からTOEICまで全方位

 

ここからはstudyの話。

 

TEDのプレゼンターは様々な分野での専門家たちです。
なので、いろいろなトピックのプレゼンを視聴することができます。

これはTEDのサイトのトップページですが、ここだけでもtechnology, science, design…と20近いカテゴリーが存在しますよね。

 

TOEICはビジネスが主体ですが、英検については出題されるトピックが多岐に渡ります。
芸術、文化、歴史、環境、テクノロジー、ビジネス、政治、、、などなど。

 

専門的な知識は必要ありませんが、最近起こっていることについて、自分の意見が言える程度の教養は必要です。

 

そのとき、問題になるのがボキャブラリー。
英単語には、ジャンルごとに頻出語があります。
環境だったら、global warming(地球温暖化)やgreenhouse gas(温室効果ガス)などといった具合です。

このように、ジャンルごとにある程度の頻出単語は抑えておく必要がありますが、TEDはトピックが幅広いのでTOEICや英検との親和性が高いといえます。

 

スマホで視聴できるので通勤・通学でも使える

 

通勤や通学の時間を英語学習に充てたいという人も多いと思いますが、TEDはスマホさえあれば学習できるので通勤・通学英語にはすごく適しています。

 

便利なアプリもいくつかありますし(後で詳しく説明します)、単語帳を眺めているよりは遥かに学習の質は向上します。

 

でも、難しいんじゃないの?

 

そういった心配があると思います。

 

率直に言うと、初心者には難しいです。
というかシンドイです。なので、中級者以上におススメしています。

「中級者ってどういうレベルか?」という事ですけど、私の経験を踏まえた感覚値でいいますと、TOEICで650点以上、英検で2級以上です。

 

英語力の強化は筋トレと同じで適度な負荷が必要です。
負荷っていうのは「聞き取れなさ具合」「知らない単語の多さ具合」などですが、これが多すぎると挫折一直線です。
さきほどの水準であれば「1mmも分からない」って事はないですから、負荷を消化できるだけの素養はすでにあるといえます。

 

そこに達していない方はまず、負荷の軽い教材で底上げをしてからTEDを使うことをオススメします。

 

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最大限に活用する。TEDのトリセツ

 

ここからいよいよ具体的な使い方を説明していきます。

 

TEDを英語学習に最大限活用するのは大きく次のステップになります。

 

1. まずは動画を見る
2. 字幕を出して見る(英語字幕→日本語字幕)
3. わからない単語・熟語を調べ、文章としてきちんと理解する
4. 音読を繰り返す

必ずこの順番で進める事をオススメします。
それぞれ説明していきます。

 

今回は例として、私の好きな動画の一つAngela Lee Duckworth “Grit:The Power of Passion and perseverance”を使って説明します。

 

この人はすごく発音も綺麗で、プレゼン中の立ち振る舞いもカッコイイ。
1600万回以上再生されているTED Talksの中でも人気の動画なので、オススメです。

 

 

 

1. まずは動画を見る

 

大事なことが一つあります。
それは、字幕を出さないこと。
日本語字幕はもちろん、英語の字幕もNGです。

 

初見(初聞?)でTED Talksを字幕無しで見ると、思っていたより全然聞き取れない事もあると思います。

 

でも、それで問題ありません。

 

先ほど言ったように英語力を鍛えるには負荷をかける必要があります。
最初から字幕を見てしまうと負荷がかかりません。

 

さらに、自分の力だけでどれだけ理解できたかを把握できなくなってしまいます。
まずは、「字幕無しの情報だけで一体どれだけ理解できたか?」を肌で実感する事が大切です。これが成長度合いをはかる基準になるからです。

 

先ほど言った対象レベルの方であれば、おそらく全体の3割程度は理解できると思います。

 

「え、3割だけでいいの?」

 

そう思うかも知れませんが、それでいいです。
繰り返しですが、TEDは英語学習のために作られたコンテンツではありません。
内容も専門性が高く、学習に使う英語としてはかなり難しい部類に入ります。

 

3割だと、なんとなく聞き取れた文章の意味をつないで全体の趣旨を推測できる程度だと思いますが、凹む必要は全くありません。
そもそも、初見で7割も8割も聞き取れるならやる意味ないです。
負荷が軽すぎます。

 

一方で、実感として3割も理解できていないようであれば、スパっと違う動画に切り替えることをオススメします。
プレゼンターによってはひどく早口だったり発音にクセがある人もいますので、そういう場合は無理をせず違う自分にあった動画を選びなおしましょう。

 

ダウンロードしてオフラインで使用したい時(iphone)

 

通勤・通学でTEDを使いたい方はスマホで視聴したいと思います。

 

Wifiを持ち歩いている人や、パケ放題の契約の人は普通にウェブサイトから見てもいいと思いますが、そうでない人はダウンロードして使いたいですよね。

 

私はiphoneなので、iphoneの場合の使い方を説明します。
TEDのサイトで動画を開くとダウンロードする機能は一応ついているのですが(Share=>Downloadの順にクリック)、残念ながらiphoneではその方法ではオフラインで視聴できません。

 

昔は、PCで動画ファイルをダウンロードしてitunesに追加してiphone側で同期してダウンロードするっていう面倒な事をしていたのですが、今はアプリを使った方が楽です。

 

オススメのアプリは2つあります。

 

TED公式アプリ

 

 

 

 

 

 

一つは公式アプリです。

気になる動画を開いたら、ダウンロードのボタンをクリックします。
「動画をダウンロード」か「音声をダウンロード」を選択するとダウンロードできます。

 

「マイTED」からダウンロードのリストに追加されている事を確認します。

字幕のON/OFFや字幕の言語は右上のアイコンから選択できます。

公式アプリなので使い勝手はいいのですが、一点だけ問題が。
後の学習ステップで「わからない単語・熟語を調べて文章としてきちんと理解する」とありますが、ここではスクリプト(原稿)が必要になります。

 

TEDのアプリは字幕(サブタイトル)は表示できますが、原稿(話している内容を文章に起こしたもの)は表示できないので、知らない単語や熟語をチェックしたり文章の構成を熟読することができません。

 

やるとすれば、スクリプトだけはウェブサイトで見ることになります。
動画の下にあるTranscriptというところから見る事ができます。
私は、PCサイトから原稿をワードにコピペして、紙にプリントアウトして色々書き込む、という方法にしています。

 

「原稿だけウェブサイトで見るのが面倒」という方は別のアプリをオススメします。

 

English Audio Books

 

 

 

 

 

 

こちらは公式アプリではないのですが、原稿を見る事ができます。
英語+日本語での表示もできて分かりやすいですし、知らない単語はすぐに調べる事ができます。

 

が、こちらも難点が。

 

まず、広告がウザいです。
動画を再生するたびに広告が出てきます。
課金で非表示にするとかもできません。

 

あと、ダウンロードできるのは音声だけです。
動画としては落とせない。

 

なので、こちらを使う場合は音声だけ聞きながら原稿を目で追う感じになります。

 

2. 字幕を出して見る(英語字幕→日本語字幕)

 

次に、動画を字幕ありで視聴します。
英語の字幕で見た後、日本語の字幕で見るのがベストです。

 

この順番には理由があります。

 

英語を聞き取れていないのは、「単語を知らなかった」よりも、「単語は知っているはずなのに聞き取れていなかった」が大半です。知っている単語ばかりなのに聞き取れていない。
文字にすると理解できるけど、音としてキャッチできていない状態です。

 

なので、まずは「英語で何て言っていたのか」をきちんと把握する必要があります。
この繰り返しによって、知ってる単語をきちんとキャッチできるようになります。

 

このステップを踏んでから日本語の字幕で意味を理解します。

 

3.  わからない単語・熟語を調べ、文章としてきちんと理解する

 

ここまでで、「英語で何て言ってるか?」と「どういう意味か?」を理解しました。

 

でも、まだ足りません。
「なぜ、その意味になるのか?」という理解が抜けているからです。

英語で何て言っているか分かって、その和訳が分かっても、どうしてその意味になるのかわかっていなければ、それは英語を理解した事になりません。
この学習のゴールは動画の英語をそのまま理解するレベルまで昇華させる事です。
英語を頭の中でいちいち日本語に変換せずにそのまま理解するレベルです。

 

そのためには英文を隅から隅まで理解しておく必要があります。
どういう状態かというと、

 

・すべての単語・熟語の意味が理解できている
・文章の構造を把握できている

 

この2点が満たされている状態をさします。
単語の意味を頭の中で勝手につなぎ合わせて「多分こう言ってるだろう」というレベルでは不十分です。

 

きちんと理解できていない動画を100本見るより、完全に理解して10本こなした方が英語力は圧倒的に伸びます。
英語圏で生活して、一日中英語に触れていれば別ですが、日本で英語を学習する限り聞き流しは無意味です。量より質です。

 

少し例を挙げます。
今回、題材にしている動画で次の文章がでてきます(4:32)。

 

“What I do know is that talent doesn’t make you gritty. Our data show very clearly that there are many talented individuals who simply do not follow through on their commitments. In fact, in our data, grit is usually unrelated or even inversely related to measures of talent.”

 

この対訳は次のようになっています。

 

“分かっているのは 才能と やり抜く力は違うことです 私たちのデータが はっきり示す通り 才能があっても 純粋に 最後まで決めた事を やり抜けない人たちが たくさんいます 事実 データによれば やり抜く力は 才能の高さとは 通常関係ない むしろ 反比例さえするのです”

大切なのは、なぜこの英文がこの意味になるのか理解できているか?という事です。
ここが抜け落ちていると、いくら大量に英語を聞いても、英語を芯でとらえられていないので、英語力は一向に伸びません。

 

まず知らない単語と熟語は一通り調べます。
それは単純にやるだけなので、問題ないと思います。

 

問題はその次。
文章の構造をとらえる事です。
学生の頃に先生が、「第四文型SVOO」「第5文型SVOC」などと言ってたと思います。あれに近い作業です。

 

「え、マジかよ。文型とか無理」

 

そう思ったとしても安心してください。
文型を使う必要はないです。
そもそも文型なんて、日本人が英語を解釈するために勝手に作った小難しいツールで、英語を上達するのに必要ではありませんし、何でもかんでも文型にはめて理解しようとする事は色々と弊害があります。

 

大事なのは、「この文章は何文型か?」という事ではなくて、「どっからどこまでが主語なのか」「動詞はどれか」「何と何がイコールか」「目的語は何か」という基本的な事をきちんと捉えていることです。

 

What I do know is that talent doesn’t make you gritty

 

最初のこの文章も、いってみればA is B、つまり「A=B」「AはBだ」と言ってるにすぎません。

 

What I do know  = A
is は =(イコール)の役割
that talent doesn’t make you gritty =B

 

そして、that の中にまたtalent doesn’t make you grittyという小さい文章が入ってることがわかればそれでいいです。

 

もう一点大事なのは、キレイな和訳をしないということ。
さきほど引用したTEDの和訳はキレイな日本語になっていましたよね。
TED TalksはTED Translatorと呼ばれる有志の人たちがきちんと翻訳作業をしてくれているので、文章がキレイです。

 

ただ、私達は翻訳家ではないので、意味がわかればそれでいいです。
よく聞く話ですが、英語と日本語では語順が違いますから、綺麗な和訳を意識すればするほど英語の上達から遠ざかります。

 

意味の理解は次のようなラフさでOKです。

 

“What I do know is that talent doesn’t make you gritty. Our data show very clearly that there are many talented individuals who simply do not follow through on their commitments. In fact, in our data, grit is usually unrelated or even inversely related to measures of talent.”

 

私が知ってるのは / 才能はしない / アナタをやる気にあふれた感じに / 私達のデータはクリアに示してる / たくさんいる /才能にあふれた人たちが / やりきらない / 決めたことを / 事実、 / 私達のデータでは / やりきる力は普通、関係ない /もしくは / 反比例さえする / 才能の測定とは

 

TEDの和訳と比較すると、かなり日本語として崩れています。
ですが、意味は分かります。

 

“分かっているのは 才能と やり抜く力は違うことです 私たちのデータが はっきり示す通り 才能があっても 純粋に 最後まで決めた事を やり抜けない人たちが たくさんいます 事実 データによれば やり抜く力は 才能の高さとは 通常関係ない むしろ 反比例さえするのです”

 

4. 音読を繰り返す

 

知らない単語も熟語も全部調べた。
文章の構造も理解した。

 

ここまではいわば「下準備」のようなものです。
英語力の鍛え上げは、ようやく次のステップで完了します。

 

それが音読です。

 

専門的な言葉でサイトトランスレーションとかシャドーイングとかオーバーラッピングとか、音読といっても色々あるのですが、そんなに難しく考える必要はありません。
細かい事を知りたい方はググって貰えれば色々と情報が出てきますが、簡単にいうと、動画の音声を真似して同じスピードで音読していく練習をすればいいだけです。

 

最初はスクリプトを見ながらでいいです。
私の場合は単語の意味とか書き込んだ紙を見ながらやってます。
最初は置いて行かれると思いますが、気にせず、次の文章からまた合わせて読んでいきます。

 

慣れてきたら今度はスクリプトを見ずに、耳から聞こえたのをすぐに口に出しながら追従してきます。

 

これを繰り返していくと、だんだんと英語を英語のまま理解できるようになります。

 

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あと、「何回くらい音読すればいいですか?」っていう質問をいただく事が多いのですが、答えとしては「英語のまま理解できるまで」です。
でも、それだとピンと来ないと思うので、ざっくり目安を言うと、最低20回。

 

音読に効果がないという人がいますが、私から言わせれば回数が全然足りてない。
2~3回音読したところで消化できないです。

 

私は受験生時代に英文科志望のクセに英語ができなくて、当時、東進予備校の安河内先生の授業を受けて音読をめちゃくちゃやらされました。
そこがターニングポイントで、それ以降、英語力はどんどん上がりました。

 

最後に音読をこなしたら、改めて電車の中で動画を視聴してみてください。
一番最初に視聴したときと全く違う理解度のはずです。
30%しか理解できなかったものが100%理解できている感覚に変わっているはずです。

 

この一連のプロセスをまた新しい動画でこなす。
これを続けていると、初見での理解度が30%から50%、60%、、、とこなせばこなす程に上がっていく事を実感できます。
これが「英語力が伸びている」という事です。

 

まずは週に1本をこなす事を目標に3ヵ月。
頑張りましょう。

 

厳選動画3選

 

最後に私のオススメの動画を紹介します。
TED Talksは色々面白いプレゼンがありますが、その中でも是非この3本は観て欲しいです。

 

Angela Lee Duckworth : Grit: The Power of  Passion and Perseverance

 

 

まずは今回、TEDの使い方例として引用した動画です。
繰り返しになりますが、彼女の英語はとても綺麗ですし、立ち振る舞いも参考になります。
特に発音は「誰にでも分かりやすい綺麗な発音」の典型と言えますので、抑揚やストレス(協調)の置き方も含めて完全コピーを目指す価値ありです。

その際、彼女の口の動きをよーく見てみるといいです。
明瞭な発音をする際の口の動かし方のお手本になりますよ。

 

 

Malcom Gladwell : Choice, Happiness and Spaghetti Sauce

 

 

これは私がTEDにハマるキッカケになったプレゼンです。
タイトルこそ「選択、幸福そしてスパゲティソース」とふざけたような感じですが、マーケティングに関する非常に重要な示唆を与えてくれます。

 

食品業界での製品開発が「唯一無二のパーフェクト」を目指す開発から、市場の多様なニーズを満たす開発へと移り変わっていったこと。
さらに、消費者に答えを求めるマーケティング(マーケットイン)から、「消費者は自分たちが何を欲しがっているかを知らない」という発想への転換(プロダクトアウト)など、今日のマーケティングの基礎になっているコンセプトが詰まっています。

 

英語は結構早口なので音読は骨が折れますが、ビジネスパーソンであれば抑えておきたい動画です。

 

Joi Ito : Want to Innovate? Become a “Now-ist”

 

 

MIT Media Labというマサチューセッツ工科大学に設置された研究所の所長である伊藤穰一氏のプレゼン。
Wiredが好きな人やテック・ギークには有名人。
MIT Media Labはコミュニケーションや表現のためのデジタル技術の開発・教育を目的とした研究所で、タッチスクリーン、GPS、ウェアラブルデバイス(Apple Watchが代表的)など、今の私達の生活にとって身近な技術を生み出しています。

 

純粋たる日本人ですが、英語が凄くうまい。
ノン・ネイティブでもここまでいくものか、と驚きます。
英語を母国語としない私達にとってはお手本とするべきモデルと言えます。

 

その他にも素晴らしい動画がたくさんありますので、是非お気に入りを探してみてください。

 

今日は以上です。

 

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