GO BRITISH ! 〜 BBC 英語とクイーンズ・イングリッシュ

GO BRITISH! シリーズ第2弾という事で。

 

やっぱりイギリス英語、きてるよね。
本屋でもイギリス英語に特化した参考書が凄く増えている。
最近のシャーロックホームズやちょっと前のロイヤルウェディングが影響しているかも知れない。
USJにハリーポッターのアトラクションもできたしね。

 

グリフィンドーーーーール!!!!

 

ところで、

 

あなたは、クイーンズ・イングリッシュ( Queen’s English)BBC英語、Oxford Englishなんて言葉を耳にした事があるだろうか?

 

「クイーンズイングリッシュを身につけたい!」なんて言う人も結構多い。

 

 

Queen’s English = 貴族の気品ある英語
BBC English = BBCニュースキャスターが使う教養ある上流階級英語

 

といった解釈が多い。

 

ただ、これらの言葉は定義がすごく曖昧で、あまり現実に即していないのが事実。
それぞれ、どういったもんなのか。

 

目次

1. Queen’s English

h

 

 

 

 

 

 

 

 

直訳をすれば「女王陛下の英語」という事だけど、一般的に多いのは単純に「イギリスの標準英語」という意味で使うケース。
つまり、「イギリス英語=Queen’s English”」という捉え方。

 

これは日本を含む、イギリスから見た海外の国で多い捉え方。
特に日本では、「イギリス英語」のカッコいい言い方、くらいのニュアンスで使ってる人が多い。
なんてゆーか、水を頼む時に「お冷や」と言わずに「チェイサー」って言っちゃうみたいな。

 

ちょー余談ですが、チェイサーは水の事ではないからね。
よく、お酒も飲んでいないのに、「チェイサー人数分下さい!」とかいう人いるけど、、、。
チェイサーは英語で書けば”Chaser”。元になってるのは”Chase”で「追いかける」です。
カーチェイスのチェイスです。
本来は強いお酒を飲んだ後に追いかけるように流し込むもの、という事で別に水だろーがジュースだろうが関係ない。
ただ、一般的に水が多い、というだけの話。
はい、余談でした。

 

ただ、言葉の通り、「女王陛下が使う英語」あるいは「貴族階級が使う英語」という意味もあるワケで、そうなってくると「クイーンズ・イングリッシュを身につけたい」とか言っちゃう日本人はアホ以外の何者でもなくなってしまう。

 

「ん。じゃあ、とりあえず王室に入るところから始めようか、頑張れよ。」

 

という話になってしまう。

 

あるいは「上流階級の英語」という意味合いで使われる事もある。
日本でいえば日常的に「ごきげんよう」と言うような人達。

 

上流階級にせよ、王室にせよ外国人として英語を学習する我々には関係がないし、「標準語」の意味合いで使うにしてもあまり正確とは言えない言葉なので、
あまり使うのはオススメしない。

 

標準的な英語、という事であれば後述するRPの方がより正確。

 

 

2. BBC English

 

 

BBC Englishもまた定義が難しい。

 

言葉のまま受け取れば「BBCのニュースキャスターが話す英語」という事になるけど、実際にこの言葉に込められているニュアンスはそうではない。
一般的にBBC Englishというと、「教養ある人が使う正しい英語」というイメージ。

 

僕らがNHKのアナウンサーの日本語にもつような「いたって標準的」みたいなイメージとは少し違うんだよね。

 

良く言われるのは、BBCのキャスターはBBC Englishの発音とアクセントを強制させられる、或はそれを身につけた人しかBBCのキャスターにはなれない、という事。
ただ、これは真実かどうかは、、、。

 

 

3. BBC Englishは神話?

myth-busting

 

 

 

 

 

 

「教養がある正しい英語」と書いたけど、これは多くの人が持っているイメージであって、当のBBCはそもそも”いわゆる世間が思うようなBBC English”ってものは無いと言っている。実際にはBBCは何かしらのアクセントや発音をキャスターに強制をしていないし、様々な英語がBBCからは発信されている。

 

じゃあ、なんでこんなイメージが定着しちゃったのか?

 

そこにはRPの存在がある。

 

RPというのは“Received Pronunciation”の略で「容認英語」と訳されたりする。
もともとはイギリス南部の言葉が発祥で、教養がある人や権威ある人が話すべき言葉として広まったもので、今では「伝統的なイギリスの標準語」とされている。
イギリスは言葉と階級の結びつきが歴史的にとっても強いので、RPはとても権威ある言葉とされていたワケ。

 

実はこれが、先のQueen’s Englishでの「上流階級の英語」という日本人が一番よくイメージするものに近い。
ケンブリッジやオックスフォード大学を出たエリート野郎が話す英語、ってな感じ。

imgres-2

 

 

 

 

 

 

日本で言うと、東大・京大ってゆーよりも、お茶の水・聖心・白百合みたいな名門女子大のイメージが近いかもね。
しかも幼稚舎からバリバリで上がってくる「良いとこのお嬢様」ね。お茶の水でいう「お茶漬け女子」。
挨拶は基本、「ごきげんよう」みたいな。
ただ、日本の場合はあくまで学内でそういう言葉遣いをしなさい、というだけの話だけど。

 

じゃあ、「RPからBBC ENGLISHにどう繋がってくるのか?」というと、第二次大戦前まではニュースキャスターは基本的にRPしか話さなかった。
そこで「キャスターの話す英語=RP」という固定観念が出来上がったワケ。

 

「え、でも、それならRPでいーじゃん。なんでBBC Englishなんて呼ぶんだよ」

 

そこなんすよ。
RPって言葉は今も使われているけど、「それって差別じゃない?」って意見も一方ではあるんだよね。
だって、”Received Pronunciation”「容認英語」って、まるで他の方言が「容認されていない」という事を暗に示しているから。

 

本来、方言に優劣はないハズなのに、RPという言葉はそれを否定してしまっている。
方言は日本にもあるけど、青森弁より大阪弁の方が上、って事はないし、「容認弁」なんてものもない。

 

だけど、イギリスではずっっとRPという言葉を使っていたので、どうしたものかと。
そこでさっきの「キャスターの話す英語=RP」という概念からニュースの代名詞であるBBCの名を冠して”BBC English”と呼ぶようになった。

 

つまり、BBC Englishという言葉はRPの婉曲表現として生まれた呼び名、というワケ。

 

ここで注意が必要なのはBEは決してBBCが自ら作り出した言葉でも発音でもないという事。
繰り返しになるけど、彼らはRPや特定のアクセントをキャスターに強制もしていないし、採用基準ともしていない。
BBCはイギリス国内だけではなく、世界中の出来事を報道するし、グローバル化の影響もありキャスター達は多種多様な英語を話す。
他国の人名の発音の仕方など分からないときに相談する「発音部門」のような部署はあるらしいけど、決してキャスターに訓練を受けさせてRPを叩き込むようなものではない。

 

 

4. BBC Englishの未来と英語学習

 

恐らく、BBC Englishという言葉が「教養」や「学歴」、「階級」のようなイメージから抜け出して 、文字通り「BBCのキャスターが使う英語」、つまり「多種多様な英語」へとその意味合いを変化させる事は当分ないと思う。
そうであれば、まずBBC Englishっていう言葉そのものが使われなくなる可能性の方が高い。

 

ただ、僕らのような「英語を学ぶ外国人」からすれば、大切なのは「広く伝わる英語」であるかどうか。
教養や学歴といったものは関係ない。

 

したがって、イギリス英語学習の観点からだけ見れば、純粋にBBCキャスター達の英語を手本とする事だけ考えればいいと。
アメリカ英語と大きく違う「イギリス英語」を学ぶという意味で、これ以上お手本になるスピーカーはいないので。

 

ただ、BBCってトランスクリプト(放送内容の下記起こし)が提供されていないので、いきなり挑戦するのは難しい。
聞き取れなかったところを確認する術がないので、、、。
この辺がBBCの気が利かないところ。使えねー。

 

ただ、BBCサイト内にはBBC Learning Englishというコンテンツがあり、そこではスクリプトがあるのでイギリス英語学習にはもってこい。
何より無料だしね。

 

次回はイギリス英語をどうやって学習に取り入れるかについて。

 

 

P.S.

 

んーー、やっぱりイギリス英語の発音って響きがいい。
アメリカ英語みたくダラダラしてないし。

 

まあ、アメリカ英語の方が何となく英語できるっぽい感じになるからそっちの方が好きな人もいるけど。
私自身、学生の頃はアメリカ英語の方が好きだったし、イギリス英語は喰わず嫌いというか避けていた。
だから就職してイギリス人と始めて仕事した時、チョーー苦労した。

 

徐々に日本でもイギリス英語への関心は高まっているけど、まだまだ日本の英語教育はアメリカ英語主体。
ただ、TOEICのリスニングではイギリス英語も出るから、社会人は避けるよりもむしろ積極的に取り入れていくべき。
意図的に取り入れないと知らないうちにアメリカ英語ばっかり練習する事になっちゃうので。

 

私みたくアメリカ英語よりの発音の人はRの音を消して、ノドの奥から声を出す事を意識するだけでも少ーーーしそれっぽくなるよ。

 

イギリス英語に耳を慣らしたいなら、まず発音を身につけると近道。
アメリカ英語とどう違うのか、を理解して練習してみるとぐっと聞き取り易くなる。

 

あ、GO BRITISH! では私の好きなUKロックを最後に紹介する事にしてるので(特に理由はないけど)、1個紹介。
Bloc Partyというバンド。
エッジの効いたギターがなんとも最高。
当時まだ学生だったけど、タワレコで視聴して即買いした記憶があります。
今聞いてもやっぱカッコいいな、うん。

このHelicopterでドカンっときた。
歌詞聞いても、なんでヘリコプターなのか今一わからないけど、、、。

 

 

 

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次