【英語参考書レビュー】海外ドラマはたった350の単語からできている

最近売れている英語学習参考書。

”海外ドラマはたった350の単語からできている”

気になって手にとってみました。

目次

ざっくり言うとこんな本

 

1.英会話を身につけるには海外ドラマを使うのが良い
2.沢山単語が登場するが本当に覚えないといけないのは350語程度
3.英語を身に着けるためのノウハウを色々紹介

大まかにいって上記のような構成になっています。

人気海外ドラマ”SEX and the CITY”に登場する単語を分析

コレがこの本のミソというか、最大のオリジナリティ。
どう分析したのか分かりませんが、このドラマに登場する単語の数と登場頻度を分析。凄い。

SEX AND THE CITY: Kristin Davis, Cynthia Nixon, Sarah Jessica Parker, Kim Cattrall.

 

要約すると、

・SATCに登場する単語の数は約12,000語
・そのうち1,000回以上登場する単語は49語
・100~999回登場する単語は286語
・残りは99回未満

というコトで、英会話に必要なのは100回以上登場する約350語である。
というのが著者の主張です。

ちなみに、著者が「海外ドラマを英会話学習の材料にするべきだ」と主張する根拠は、英字新聞などは客観的な文章の羅列であり、コミュニケーションの英語ではないので、英会話力を伸ばすには不向きだから、という事でした。

レビュー:単語の統計をとったのは斬新でデータとして価値はあるけど、参考書としての焦点が???

 

私個人としては、単語の数とか登場頻度を集計したデータそのものは価値があると思います。

 

ですが、参考書として考えた時に、ピンボケしてるように感じます。

 

というのが、途中から本書の内容は、

・フォニックス(音声学)
・ディクテーションの方法
・英語の時制について
・多読について
・シャドーイングについて


etc…

といった形で色々な英語学習メソッドについて触れ紹介していくのですが、これが1トピックにつき2ページ(見開き)で紹介されています。

つまり、浅い。

ディクテーションだ、シャドーイングだ、といったメソッド達は別に新しいものじゃないし、もっと深く紹介した本は沢山あるし、ネットを叩けばいくらでも出てくる情報。

 

あえてこの本で色々紹介する必要性を感じない、というのが正直な感想。

 

ポイントがどこにあるかよく分からないし、誰を対象にしていて、読者をどうしたいのかが見えにくい。

 

海外ドラマを有効活用して英語力を伸ばす、というアプローチであるのは本のタイトルから明確なので、そこをもっと突っ込んで欲しいなと思うんですよね。
どうやって見るのか(字幕ありなし、最低何回見る、など)や、覚えるべき単語や捨てるべき単語の基準、とか。

 

私も海外ドラマは英会話の上達には凄くいい材料だと思います。
今はNETFLIXとかでいくらでも見られるので、凄い便利。ひと昔前はFriends のDVDパックとかを買い込んで見まくる、みたいな方法は英検準1級くらいを目指す学習方法の定番としてよく紹介されてましたし。

 

ただ、海外ドラマは基本的にネイティブ同士の自然な会話なので、早い。
これをダラーっと見てるだけでは当然英語力なんてつかないし、全部を吸収しようとすると途端に消化不良を起こして挫折します。

 

要するに、使い方が凄く大事なんです。

 

なので、海外ドラマをどう料理して学習に取り入れて、楽しみながら英会話力を強化していくか、という部分の解像度を上げてそこにフォーカスして欲しかったな、という印象。タイトルのインパクト負け、というか。

 

でも、この統計データはすごく興味深いです。

 

 

 

 

 

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