TOEIC SWの価値を考える

TOEIC SWテスト。

 

気になる人も多いと思う。

 

受けてみようと思ってまだ受けてないんだけど。
ネットで調べても的を得た情報が無いんだよね。

 

サラリーマンからすると、

 

就職(転職)や昇進、評価で何かプラスになるの?

 

今後、企業が社内教育に使ったり、海外担当の要件に採用するの?

 

といった辺りが関心事なのかなーって思うんだけど、その辺についての情報もあまり見かけない。
公式サイトの情報か、TOEICブログ書いてるような人がネタの為に「TOEIC SW受けたみた」といった記念受験的な情報しかない。
どんな問題だった、どれくらいできた、とか。

 

 

英語関連のテストは

 

TOEIC
TOEIC SW
英検
TOEFL
CASEC
ケンブリッジ英検
日商ビジネス英検
etc

 

といった具合に非常に沢山あるので、どれを受けるべきか迷っている人も多いと思う。
TOEIC SWを検討している人は、その位置づけや今後の可能性について考えてみよう。

 

 

試験の価値

 

 

そもそも、英語の試験は何かしらの「評価」と結びつける限り、「受験者数」で価値が決まる。
要するに、「転職に役立つ」「キャリアアップに役立つ」といった切り口だね。

 

MBA留学の為のTOEFLやGMAT受験といった特定の目的があるケースはまた別なんだけど。

 

TOEICがなぜ重要かっていうと、受験者数が多いから。
他の試験と比べて英語力の測定精度が高いとかいうワケじゃない。
むしろ、実践的な英語力の測定精度で見れば結構微妙な試験と言わざるを得ない(笑)

 

 

何故、受験者数が大事かっていうと、評価する側が分かり易いから。
TOEIC700点と聞いて、

 

「じゃあEメールのコミュニケーションは問題なさそうだ」

 

とか

 

「海外出張は大丈夫そうだ」

 

って具合に評価する側がイメージできる事が大事。

 

例えば「ケンブリッジ英検FCEレベル」とか「国連英検C級」とか言われても、ピンと来ないじゃない。
企業で一時面接を担当する人事部の人間がピンとくるかっていうと、、、まあ、来ないのが普通。
私の履歴書の通訳検定とか面接で触れられもしなかったからね(笑)悲しいよね(笑)

 

マイナーな資格を履歴書に書くと大抵、「え?それってTOEICで言うと何点くらい?」みたいな反応。
英語試験の換算表なんて当てになんないんだけど、大体TOEICか英検に置き換える人が多い。

 

誰が聞いてもピンとくるかどうか、それが試験の価値を決めるのだよ。
普遍性が高い程、市場では価値があるって事ね。

 

試験内容からすればケンブリッジ英検の方がバランスや構成からして、優れてると思う。
ちなみにFCEレベルってのは換算表を信じるならTOEIC800点くらいなんだけど、

 

ケンブリッジ英検FCEレベルの人

 

TOEIC800の人

 

私がもし人事だったら前者の方が英会話やライティングはできるかなって思う(あくまでイメージね)。
TOEICは会話力との相関が弱いからね。800点持ってても海外からの電話一本まともに取り次げない人とかいるからね。マジで。

 

だけど、世の中的にはTOEICがスタンダードになってる。
リクルーティングの目的が「海外事業の拡大による増員」で英語ができるのが最低要件の場合、面接官としてはTOEIC800の方を通した方が楽だよね。
良く分からない英語資格持ってる人を進ませて、実は英語使えませんでした、みたいなリスクは嫌がる。
まあ、面接する側が英語話せれば一番確実なんだけど、中々そうもいかない。

 

つまり、評価を前提に話をすると、英語力の測定精度は2の次って事ね。
残念ながら。

 

もしアナタが自分の英語力UPであれば、英検でもケンブリッジ英検でもいいと思う。
あくまで、「就職」「昇進」の一部として試験を捉えるならTOEICの方がいい、という事。

 

 

じゃあ、TOEIC SWはどうか?

 

 

そういう意味でいうとTOEIC SWって現時点では微妙だよね。
評価に対しての即効性は薄い。

 

スクリーンショット 2015-02-06 22.52.19

出展:TOEIC公式サイト

 

2014年のデータはまだ公開されてないけど、2013年は年間14,700人。
多いと思う?

 

普通のTOIECの年間受験者数って、250万人だからね。
それ考えると、少なっ!!!って感じだよね。

スクリーンショット 2015-02-06 22.53.08

出展:TOEIC公式サイト

ただ、TOEIC SWってのは昔ながらのTOEICではリスニングとリーディングのいわば「英語を受信する力」しか計れないっていう不完全さを補う為に
作られたものって事に注意が必要。

 

 

 

ポテンシャルは?

 

 

TOEIC SWって、書店にいっても対策本なんて皆無なんだよね。
まあ、writingとspeakingって性質上、書籍で学ぶのが難しいしね。
有名TOEIC講師達もSWは黙殺してたりするからね。

 

ただし、いつ爆発的に受験者数が増えるか分からない。

 

ここが重要かなって思う。

 

あっという間にTOEICテストと同じレベルの受験者数になってもおかしくない。
あるタイミングで急に増えるんじゃないかなって思うんだよね。
まあ、増えるとすれば、だけど。

 

トリガーになりうる要因としては、

 

・有名企業が新卒採用の評価基準に導入する(大手商社、大手メーカー、大手製薬会社あたり)
・有名企業がTOEIC SWを軸とした英語力強化の社内取り組みを行い、それが注目を集める(サントリーの「やってみなはれPJ」とか、楽天の「英語公用語化」みたいな感じ)
・大学入試にTOEICとTOEIC SWを採用する大学がでてくる

 

とかね。
あと、韓国で既に1300社以上が活用している事や、ビジネス雑誌の煽動なんて要因もある。

 

TOEICは2000年から11年で受験者数を倍増させた。
SNSとか、ウェブマーケティングの発達も加味すると、運営団体が同じ成果を出すのに今度は10年かからないよ。きっと。

 

TOEICの日本の運営団体(IIBC)も有名企業の取り組みとからめたマーケティングは上手いからね。
余談だけど、英検がTOEICに取って変わられたのは運営団体にマーケの技術が無かったからだよ、絶対。
試験の質じゃない。

 

文部省認定とかいう意味不明なお墨付きと、競合がいない独占状態でウハウハだったけど、余裕ぶっこき過ぎて足元すくわれたよね。
日本英語検定協会のサイトを見てると大分昔よりは若返った感じだけど、なんてゆーか頭の固い役所みたいなイメージは脱却できない。

 

 

 

ポジティブ・サイクル

 

TOEICのスコアが中々伸びない人はTOEICの勉強ばっっっかりやってる人が多い。
矛盾してるように聞こえるかも知れないけど、スピーキングとかライティングを通して自分で英語を発信する練習してる人の方がはるかに成長は早い。
それに、さっき言ったようなTOEIC800点なのに海外からの電話にまともに対応できない、みたいなスコアとスキルのギャップも生まれないし。

 

一方で、スピーキングもライティングも文法や単語の力は必要なので、TOEICの勉強がSWのスコアを上げる相互補完的な効果は必ずある。

 

そういう意味でもTOEIC SWはやっておいて損はない。

 

 

今後の見通し

 

 

まだまだ黎明期なTOEIC SWだけど、これから受験者数は増えていくハズ。
公式サイトの情報ではTOEICだけ導入してるのか、SWも導入してるのか分からないけど、双日はSWを海外赴任の要件として導入してるみたい。

 

今の時期はIIBCは法人相手にTOEIC SWを一生懸命売り込んでるんだと思う。
まず、有名企業が自社社員の教育の為に導入する。
それが浸透してくると、今度はそれらの企業が採用要件にTOEIC SWを入れるようになる。
追従する形で他の企業も導入する。

 

この流れができれば受験者数は一気に増える。
IIBCからすると個人の英語学習者に対して「TOEIC SW受けましょう!」って宣伝するよりも、「受けないといけない」状況を作り出す方が効果ははるかに大きいからね。
TOEICもそうやってここまで大きくしてきたし。

 

 

じゃあ、まだ様子を見たほうがいいか?というとこの黎明期はチャンスとも捉える事ができる。

 

 

今の状況ではTOEIC SWはスコアの高さよりも受験している事に意味がある。
つまり、「TOEICだけでは英会話の力がつかない」って事をきちんと認識し、実践で使える英語力を育む努力をしている事は示せるという事。
受験者数が増えれば、TOEICのようにスコアありきになってくると思うけど。

 

 

とりあえず、受けてみよっと。

 

 

 

 

 

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