TOEIC参考書 評価レビュー Vol.8 「新TOEIC でる1000問」

久しぶりのTOEIC参考書レビュー、、、。

 

金フレをレビューしてから数ヶ月が経っていたんですねー。

 

さてさて。このLearn & Runは「星の数ほどあるTOEIC参考書選びに迷える人々の役に立つ」というよく分からない目標を掲げていますんでね。毎月何冊も新書が出るTOEIC教材市場には悪意が渦巻いてるから、買う方も賢くならにゃ、いかん!っていう持論だけで書いてます。ハイ。

 

で、前回の「金フレ」つながりなんだけど、最近出た文法系(Part5 & 6対策用)として、金フレ著者のTEX加藤氏がこんなの出したね。

 

 

“新TOEIC でる1000問”

 

TOEICとかけまして、1019問(とーいっく)あるそうです。もう、それ言いたい為だけに19問増やしたとしか思えないお茶目さ。まあ、嫌いじゃないけどね。そういうノリ。

 

まず、コレは私の第一印象だけど、、、「でる1000問」って、、、、そりゃ、1,000問もあれば、どれかに似た問題は出るでしょうよって言う、、、。

 

 

そりゃ、そーだろうよ!!!

 

 

としか言いようの無い、ネーミングですわ。

 

 

TEX加藤氏は、定評があるTOEIC講師なのに勿体ない。彼の凄いところは、自分で実際に何回も受験して出て来た単語やパターンを試験後に覚えてるだけメモして、自分独自のデータベースを作ってるとこなのよ。

 

彼の著書である、金フレがスゲーのはまさにこの「身銭を切って集めた生の情報」とそれから導き出した「ガチな傾向」なんだよ。ホント、「出まくり」なワケ。他の大手出版社が「頻出!」とか「出まくり!」とか言って、適当なコーパスデータを元につくった「なんちゃって頻出TOEIC本」とは次元が違う。

 

要は彼の持ち味は「マジで頻出」を狙い撃つ「精度」なワケなんですよ。

 

なのに、、、1,000問ってただの乱射じゃん。強敵を目の前に「オラオラオラオラァ」って全然効きもしないエネルギー弾を連射するベジータ王子のごとき愚行ですよ。

 

 

 

目次

対象は500点〜900点台まで

 

 

問題集として悪いワケではない。

 

だけど、ちょっとターゲット層が広過ぎて中途半端な感じは否めない。

 

この本では、冒頭、「500点未満の人はいきなりこの本をやるのはオススメしない」って言ってるのね。レベルが高過ぎるからって。

 

てゆーか、これもっと対象レベル高いよ。。。

 

500点の人が使ったらまず挫折する。絶対に。

 

解説が素っ気ないから、読んでも「何で間違ったか」がよく分からないままになってしまうから。

 

こう書くと、「えーーー、、、最低な問題集じゃん」って思うかも知れないけど、そうでも無いんですよ。実際、TOEICはハイスコアの人になる程、「質より量」をこなす事が大切になってくるから、この手の「問題数がたくさんあって、難問もカバーしてる」タイプの問題集はそれはそれで必要としてる人がいるもの。

 

代表的なのが、韓国人が書いた本。これはもう、簡単なものから難解なものまで「とにかくこなして、体に覚えさせる」という趣向のもので、800点とか900点のレベルになるには、絶対に必要なプロセス。とにかくパターンを叩き込んで、反射的に正解を導くトレーニングだからね。

 

ただ、TOEICの問題集というのは、「問題数」と「解説の丁寧さ」ってのはトレードオフの関係になるから、どうしても「量」を求めるハイスコアラー向けの問題集は解説があっさりしちゃう。そもそも、そこまで懇切丁寧に説明を必要とする人は使わないモノだから。

 

 

で、この「でる 1000問」は明らかにそっちの系統の参考書で、少なくとも700点前後ないとキツイよ。

 

 

 

実際、そのレベルの人が使うなら全然オススメできるけど、「500点から」って唱っている以上、私は「オススメです」とは言えない。500点の人が使うなら、「特急シリーズ」くらい解説が丁寧で分かりやすく書いてあるべきだよ。

 

 

 

 

こんなの、ダイエットの為にジョギング始めたばかりのお腹ぽっこりの中年オジさまにフルマラソンやれって言ってるようなもん。結果は明らかで、肺も膝もグチャグチャんなるわ。

 

 

あと、値段が高い。

 

普通、PART別の対策用問題集って、1980円くらいが相場な気がするけどね。2,480円って。高いわ。

 

 

まあ、ダジャレにしたいが為に、「1019問」にこだわったその姿勢は賞賛に値するけど。

 

 

まとめ

 

PART5&6対策用の問題集には2種類ある。

 

1つは、問題数が少なくて、基本的な問題が多く、解説が丁寧なもの。
もう1つは、問題数が多くて、より高いスコアを取る為の難問も収録されてるけど、解説は詳しくないもの。

 

この「出る 1000問」は後者の部類で、本書でうたっている対象者(500点〜)という設定には無理がある。500点の人には明らかに無理があり、少なくとも700点くらいまで伸びてから手を出すべき。

 

一方で既に700点近く持っている人にとっては、900点台まで駆け上がるための起爆剤になり得る。やっぱりTEX加藤氏の作ったものだけあって、読んでいても色々な発見があるし、難化傾向にあるTOEICにきちんと対応しているから。

 

つまり、700点以上の人には良書だけど、ソレ以下の人にとっては悪書。

 

あと、価格が相場より高い。

 

 

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