TOEIC参考書 評価レビュー VOL.10 TOEICテスト究極のゼミ PART 5&6

TOEIC対策の中でもPART5とPART6の対策は重要です。

 

得点の配分からいえば30問なので、およそ150点分に過ぎませんが(TOEICは一問〇〇点というのが決まっておらず、皆が正解している問題の点数は低く、皆が間違っている問題は高く、という方式なので正確にはいえませんが、200問あり990点満点な事から一問約5点が1つの目安です)、対策を進めて行く上で、全体に影響を及ぼすからです。

 

PART5と6の重要性を語る上で2つのポイントがあります。

 

1つ目として、PART5&&は文法、語法、語彙の領域を問う問題である為、対策を通じて養われる力は他のPARTにも必要になってくるという点です。リスニングであれ、長文であれ、文法知識、語法知識、語彙知識は必要となってきますから、いわばTOEICの根幹となる力をつけるPARTと言えるのです。

 

2つ目として、PART5は時間配分の点で非常に重要だという点です。
リスニング(PART1〜4)はナレーションがどんどん進んでいきますので、追いついていようが置いていかれようが、勝手に問題は進んでいくので時間配分の管理はあまり問題ではありません。ですが、リスニングが終わり、PART5からリーディングになるワケですが、ここでのスタートダッシュが肝心となるワケです。PART5とPART6にあまりに時間をかけると、PART7という最も難しく時間がかかり得点配分が高いPARTに時間を回す事ができなくなります。

 

これらの点からPART5とPART6の対策は極めて重要だというのが私の考えです。

 

目次

何を基準に選べばいいか?

 

PART5&6の参考書選びにはいくつかポイントがあります。
ちなみに、PART5だけ、PART6だけ、という参考書はほとんどありませんのでセットで考えて頂いて結構です。

 

ここでは、現状のスコアが〜600点までで、目標スコアが700点までの場合を想定して書きます。

 

解説の丁寧さ

 

まず、選ぶ際のポイントは現状スコアと目標スコアで変わってきます。複雑な話ではありません。現状、目標スコアが〜700点までであれば、解説が丁寧なものを選ぶべきで、既に自分のスコアが700点を超えており、800点〜を目指す場合は解説の丁寧さよりも問題の質と量を重視すべきという事です。

 

TOEIC対策において「自分のレベルに合ったものを選びましょう」とよく言われるのは、まさにこの点です。

 

上級者向けの参考書(韓国人の講師が書いたような本)は、難問を意図的に入れていたり、解説が簡素であるという特徴があります。難問を取りこぼさない事が目的であり、とにかく量をこなす事が重要になります。そのため、基礎的な文法事項についてはほとんど説明されません。基礎がある前提で書かれているので。

 

問題集で一番最悪なのは「解説を読んでも分からない」というものです。これは問題集の質の問題もありますが、レベルが合っていないとこういう事が起ります。もし現在のスコアが500点以下で文法に不安がある人は、きちんと項目毎に「基礎のおさらい」的なものがあるものを選ぶといいです。例えば、時制に関する章であれば、その章の一番最初に時制の基礎的な説明や例文が載っているようなものです。

 

検討をする際は、問題と解説を数問分読んでみて、自分で理解できるかどうかを確認する事をオススメします。解説を読んでも「?」というモヤモヤが残れば、その問題集はアナタに合っていない、もしくは質が悪いです。

 

初級者向けといいながら、文型ありきで文法用語満載で書いてるような本がよくあります。そういった本は理解を助けるどころか学生時代の英語アレルギーを呼び覚ますだけなので、避けるべきです。

 

何故?がきちんと書かれている

 

PART5では

 

——– is no better season than winter to begin training at Silver’s Fitness Center.

(A)When

(B)It

(C)There

(D)As it

 

のように、選択肢が4つあります。

 

解説の丁寧である事が良い問題集の条件と書きましたが、ただ解説が長ければいいというワケではありません。重要なのは、「なぜ不正解なのか」がきちんと書かれているという事。

 

この例題では、正解は(C)ですが、質の悪い問題集は初級者を対象としながら、「空欄の後にisがある。選択肢にthereがある事からthere is 〜の構文(〜がある)という構文が思い浮かぶはず」などという解説しかしないモノです。だって、(B)だって(D)だって後ろにisは取れますから。

 

良質な解説というのは、「なぜ正解か」そして「なぜ他の選択しは間違いなのか」がきちんと説明されているものです。

 

書店に沢山ならんでいる問題集を見ると、ここが雑なものが非常に多いです。

 

PART5はスピードが求められます。そこでは、一目で正解が分かればいいのですが、そうではない場面も沢山あります。その場合、「間違いを見つける」という力が必要です。「これは違う。これも違う。」と選択肢を減らす事ができるかどうか、それは「正解を見つける力」と等しく重要なのです。

 

目標とする時間配分が記載されている

 

先ほども書きましたがPART5&6はスピードが命です。ここでダラダラと時間を使うとリーディング全体のスコア低下を招きます。また、リスニングからリーディングに変わって最初のPARTになりますので、ここでしっかりと時間管理のスイッチを入れないといけません。TOEICのリーディングでは、一問に何分もかける事は不正解するよりも悪であると覚えておくべきです。

 

1問に3分も5分もかけてしまうと、例えそれが正解だとしても、その分、他の問題の回答が間に合わなくなります。それで3問を空欄で出す羽目になったら、それは3問間違うに等しいミスなのです。

 

という事で、PART5&6では時間管理を身につける事もまた非常に重要な対策となってきますから、その点がサポートされている問題集を選ぶべきなのです。例えばある章で10問あったとして、「目標1問20秒」などときちんと示されている事。それが意外と大切なのです。

 

 

「TOEICテスト 究極のゼミ」という選択肢

 

究極のゼミというシリーズはPART毎に発売されていますが、長年の実績がある実力はの参考書です。大抵の書店においてあります。そして、私が挙げたポイントをきちんと網羅している数少ない問題集でもあります。

 

この問題集のポイントは、まず問題数のボリュームがある事です。

 

初級者向けになればなるほど、解説に多くのページが割かれます。その結果、収録される問題数が少なくなってしまうのです。TOEICは「慣れ」がモノをいうテストでもあります。いくら基礎を理解していても、ある程度の数をこなさなければスムーズに回答しスコアに繋げて行く事が難しい試験と言えるかも知れません。

 

その点で、この問題集は解説の丁寧さと問題数のバランスが非常いイイ。

 

そして、次のセールスポイントは、説明が講師と生徒の対話式になっており、「なんで(A)じゃなくて(B)になるんですか?」といった読者の多くが持つであろう疑問とそれに対する答えが書かれている為、凄く分かり易いのです。

 

全パート揃えるとそれなりにお金はかかってしまいますが、まずは全体の根幹となるPART5&6の対策用として検討してみるといいと思います。コレ1冊あれば初級者の方でも説明が分かり易いですし、730点くらいまでは長く付き合えます。

 

既に700点を超えている人は、同様のPART別対策の中でも難易度が高く、問題のカテゴリーをランダムにして出題する「解きまくれ!」シリーズなどを使って負荷をかけながら力を付けて行く事をオススメします。究極のゼミでもいいですが、ここまで丁寧な解説はいらないでしょうし、もっと難問を意図的に取り入れて、とにかく数をこなしていく事が鍵となりますので、もっと難易度を上げたもの(例えば「解きまくれ!」シリーズ)で力をつけていく事をオススメします。

 

 

 

 

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