雰囲気似てるけど、結構違う英単語 〜 GoodとWell編

英語に伸び悩む人。どんどん伸びていく人。TOEICが600点を超えない人、簡単に超えていく人。
その違いは「どれだけ難しい単語や難解な文法知識を覚えられるか」という事ではない。断じて違う。

 

もっともっと基本的な事。
でも、基本的過ぎて多くの人が「わかったつもり」になってしまっている。

 

その最たるものが”似てる単語やフレーズの使い分け”ではないだろうか。
英語には似ている言葉が沢山ある。willとbe going toや、mustとhave toなどなど。

 

アナタはこれらの言葉を”なんとなく同じ”と考えていないだろうか?

 

実は日本人が「同じ」とか「似てる」と思うものは、ネイティブにとっては全然違う。そして、この違いを無視してしまう事が日本人の平均的に低い英語力に繋がっている、と言ったら大げさに聞こえるだろうか?でも、ウソじゃない。

 

どういう事か。まず日本の英語教育ではこういう違いにあまりフォーカスが当てられない。何故か?それは「日本語にしてしまえば同じ」だからだ。mustもhave toも「〜しなければならない」となり、その裏にある違いはテスト、ひいては受験においてあまり問題にならないからだ。ニュアンスは違えど日本語に翻訳すれば同じなので、リーディングやリスニングを主とする受験の点数を左右する事はあまりない。「本文の内容と合致するのはどれか?」みたいな問題が大半を占める試験において、willとbe going toのニュアンス的な違いで解答が変わる事なんてないのだから。

 

一方で、英語を母国語とはしないが国民の平均的な英語力が高いヨーロッパ圏での英語学習は、こういった違いにかなりフォーカスを当てる。なぜなら、そのニュアンスの違いを理解していなければ、コミュニケーションに支障をきたすからだ。つまり、リアルなコミュニケーションの場面を想定しているわけだ。mustとhave toだってニュアンスどころか場面によっては全く意味合いが違ってくるワケで、下手をすると誤解に繋がる恐れがあるのだから。

 

要するに、日本では意味的になんとなく分かればそれで良しとしてしまうのに、欧州圏では「ニュアンスをきちんと理解し、そして伝える」というスタンスだという事。この違いはかなり大きい。

 

言い換えるなら、日本の英語学習は「試験」でのパフォーマンスに焦点が当てられており、欧州圏では「実践」にそれが当てられているという事なのだ。だから、日本人の英語力が相対的に低いのは当たり前といえる。

 

100%ではないにしろ、ヨーロッパ圏で人に英語で話かけてもまず即座に返答が返ってくる。決して皆が難しい単語を使える訳じゃないけど、コミュニケーションのツールとして彼らの英語は十分に機能している。日本人くらいだ。英語でいきなり話かけられて「え〜、、、と、、、あ〜、、、」なんて言っているのは。

 

たまに海外旅行にいってつたない英語で話す程度で満足なら問題ない。しかし、このブログではビジネスで英語を使っていく事を目的としているワケだから”なんとなく伝わればそれでいい”なんて考えは毛頭ない。

 

“テストで解答できるか?”ではなく、”自分で使えるか?”を見据えながら学習をしよう。
そうすれば、小さな違いにも敏感にならざるを得ない。そしてその「小さな違い」が実は「大きな違い」であるという事を見過ごす事はなくなる。

 

自ずとアナタの英語はより英語らしくなり、高い次元でのコミュニケーションが可能となる。高い次元でのコミュニケーションというのは、難しい単語をいたずらに振り回す事ではない。母国語に近いレベルでニュアンスまでも理解し伝えていく事でより肌触りのある意思疎通を可能にしていく事だ。つまり、リーディングやリスニングで解答する、といった一方通行の話ではなく、双方向の話だ。受信と発信の両方の話だ。

 

このブログでは何度か述べているが、”知っている”と”自分で使える”はまるで次元が違う。
“知っている”は必ずしも”自分で使える”を意味しないが、”自分で使える”は常に”知っている”を意味する。そして、”知っている”という次元の知識は脳の中でフワフワとしているが、”自分で使える”という次元の知識は記憶にしっかりと刻みこまれている。

 

想像してみて欲しい。TOEICで回答する時に「あれ、こっちだったかな、、、いや、でもこっちだったような気も、、、」と迷った挙げ句不正解になる。”知っている”というレベルの知識ばかりの典型だ。“知っている”だけの知識を習得する事ばかりしていると、似たような単語を並べられた途端にどっちが正しいか分からなくなるのだ。だけど、アナタが実際に使っている単語やフレーズについてはまず間違いなく”これは正しい”と言い切る事ができるハズだ。

 

TOEICの問題で選択肢を順番に見ながら、正解の選択肢にあたった瞬間に確信を持って回答する。それより下に書いてある選択肢は検証すらしない。選択肢ABCDとあり、Aから見ていってBに正解があればCとDは見る事もしない。それが”自分で使える”を念頭に置いた学習をしてきた人達であり、TOEICハイスコアラーのやり方だ。

 

そして、自分で使っていく事を意識する中で決して無視できない”類似語”。
そこを集中的に攻略していく事が実践でもTOEICでも大きな効果をもたらすので、今後、似たものをしっかり使い分けるために”とても簡単に見えて実は〜”というタイトルで何回かに分けて書いていこうと思う。

 

 

 

目次

Good とWell

similar_but_not_same

 

 

 

では、第一回目という事でgoodとwellの違いについてマスターしよう。どちらも中学レベルの単語で、意味を知らない人はまずいないと思う。だけど、きちんと違いを認識できているだろうか?

 

He went to Karaoke with his girlfriend  but he’s not very well at singing.
“彼はカノジョとカラオケに行ったが、歌が凄く上手いワケではなかった”

 

どっか変なんだけど、どこか分かる?

 

まあ、goodかwellかって話なんだから「wellでしょ」って話なんだけど(笑)

 

辞書で調べると、

 

good:良い、上手い

well:良く、上手く

 

といった感じで載っている。どちらも意味が広い単語なので他にも沢山出て来るけど、今回の例文ではまりそうな意味はこれくらい。
なんかパっと見は同じような感じだよね。

 

goodは形容詞 wellは副詞が基本

 

そもそも、goodとwellは文法的に違う。意味としては殆ど同じだけれども、文法的に違うのだから当然、使い方も違ってくる。形容詞と副詞の違いは大丈夫だよね??まあ、ちょー簡単に言うと、、、

 

形容詞:名詞を修飾する
副詞:動詞、形容詞、他の副詞、または句、節、文章全体を修飾する

 

要するに、「青い空」の「青い」は「空」という名詞を修飾しているから、形容詞。「青く光る」は「光る」という動詞を修飾してるから副詞。「青く空」とは言えないよね。副詞では名詞を修飾できないのってのはこういう事。この点は英語も日本語も同じ。

 

He went to Karaoke with his girlfriend  but he’s not very well at singing.

 

ここでは、「彼は歌が凄く上手いワケではなかった」という事を言いたいワケだよね。つまり、wellで主語(=名詞)であるheを修飾しようとしている。だけども、wellは副詞なんだから当然heは修飾できない。だからこの文章は成り立たない。

 

He went to Karaoke with his girlfriend  but he’s not very good at singing.

 

うん。これならOK。

 

でも、形容詞としても使えるwell

 

今、「はぁ!?オイコラ!!話が違げーだろ!!!」と思ったかな。ゴメンよ。でもwellは形容詞としても使えるのは事実だし、私が決めた事ではないので責めないで欲しい。

 

ただ、安心して欲しい。wellはごく限られた意味でしか形容詞としては使えない。

 

それは、

 

“in good health”

 

“in good condition”

 

 

つまり、「健康的に良い状態だ」「いい調子だ」といいう意味。

 

 

I’m not very well today, so I’ll go home earlier.
“なんか今日は調子悪いから早めに帰るわ”

 

と言ってる人に限って残業する羽目になったりするワケだけど。「あれ、今日は早く帰るって言ってたのにまだいるのか。頑張るな。」「好きでやってんじゃねぇよ!!!」的な。

 

話を戻そう。

 

ここでは、先ほどのカラオケでアピールできなかった彼の例文と同じで、主語であるI(=名詞)を修飾してるから、ここではwellは形容詞だね。さっきの例文だとダメだけど今回ならOK。なぜなら、wellは「調子がいい」「健康的にいい状態にある」という意味では形容詞として使えるから。

 

英文メールの書出しで、”How are you?”ではなくて”I hope you are well.”とか”I hope you are keeping well.”などと言ったりする。これも同じ意味で使われてるね。直訳すれば「元気でやってる事を願ってます」だけど、意味合いはもっと柔らかくて「元気にやってる?」ってな感じ。

 

お決まりの使い方 〜 受動態とのコラボ

 

wellは受動態とセットでよくお決まりの使い方をされる。

 

He’s well known in this industry.
“彼はこの業界じゃ有名だよ”

 

“He is known”は「彼は知られている」だよね。受け身だから。で、これを「よく知られている」という風に強調する場合はveryではなくwellを使うのが自然。

 

Your purchase order was well received.
“あなたの注文書は問題なく受領されましたよ”

 

ってのをアメリカ人が実際にメールで書いてきたのを覚えてる。これもyour purchase order(あなたの注文書)はwas received(受領された)という受け身にwellをつけてるね。「ちゃんと届いてるよー」って事を言ってるワケ。

 

He’s well spoken of in new team.
“新しいチーム内で彼は評判がいい”

 

同じだね。受動態とwellがセット。ここまで見て気がついたかもだけど、wellは受動態の過去分詞の前にくるのが一般的。”He’s spoken well of”ではなく”He’s well spoken of”の方が自然。known wellではなくwell known。received wellではなくwell received。

 

 

まとめ

 

どうだったかな?

 

最後におさらい。

 

・wellは基本的には副詞で、goodは形容詞
・但し、「健康だ」「調子がいい」という意味でのみwellは形容詞で使われる
・wellはお決まりの使い方として、受動態とセットで使用される事でポジティブな意味合いや強調の役割を果たす

 

なんとなーくwellとgoodを「良い」って意味でごっちゃにしていたなら、この3つのポイントをしっかり抑えておこう。その上で3番目の受動態とのコラボなどは積極低に使っていくと、より英語らしい英語になってくる。

 

 

 

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