雰囲気似てるけど、結構違う英単語 〜 dieとdeadとdeath編

死に関連する単語は沢山あります。

 

その中で、dieとdeadそしてdeathについて混同してしまうケースが多いのですが、コレ、結構違います。日常会話であまり死に関する事を話す機会も多くはないだろうけど、、、それでも間違った使い方をしているケースをたまに耳にします。

 

例えば、「お父さんは何やってるの?」「父さんは去年亡くなったんだ」みたいな会話。

 

My father was dead last year.

 

と言ってしまうケースがありますが、コレはツッコミどころ満載な間違い。この英文だと、「父さんは去年は死んでいた(けど今は生きてる)」という意味になってしまう。

 

え、どういう状況、、、?、、、ドラゴンボールで生き返らせた的な、、、?

 

という状況になりかねないのです。

 

文法的に正しいのは、

 

My father died last year.

 

となります。

 

ただ、dieではあまりにストレートで無関心な感じがしますので、婉曲表現となるpassed awayを使い、

 

My father passed away last year.

 

といったところが自然でしょうか。日本語でも誰かが亡くなった時には「死んだ」よりも「亡くなった」と言うのと同じです。

 

 

目次

deathは名詞

 

deathは一番簡単です。

 

「死」という名詞です。

 

The death of her cat depressed her so badly.
飼っていた猫の死は彼女をとても悲しませた

 

というような使い方になります。

 

He death.
彼は死んだ

 

は文法的に成立していません。

 

He is death.

 

ですと、意味としておかしい。「彼は死だ」という何とも、意味深で哲学的で理解不能な文章となります。

 

 

deadは形容詞

 

deadはまず、文法的に言えば「形容詞」にあたります。

 

つまり、「死んでいる」という状態を表すワケですね。

 

例えば、「彼は3年前に亡くなった」という事を言いたい場合は、”He has been dead for 3 years.”と言えば、「彼はこの3年間ずっと死んでいる」、つまり「3年前に亡くなった」という意味になります。

 

もちろん、日本語にすると「3年間ずっと死んでいる」という極めて不自然な文章になりますが、感覚としては「亡くなって3年になる」というニュアンスですので、間違いではありません。

 

実際の死亡ではなくとも、モノの例えとしてdeadを使うケースもあります。

 

The shopping mall is dead.
そのショッピング・モールは死んでいる(客が全然入っていない)

 

というようなケースですね。

 

形容詞というからには、文法上、名詞にくっつくか、be動詞を伴う場合でしか使えません。

 

名詞にくっつく→ dead space (無駄なスペース)
be動詞を伴う→ He’s been dead for 3 years.

 

dieは動詞

 

dieは動詞で「死ぬ」という意味です。

 

死ぬというのは、当たり前ですが瞬間的なもので、deadのような「状態」を示すものではありません。

 

彼は3年前に死んだ、という文章をdieで作るならどうなるでしょうか?(やたらと死んでいる「彼」ですが、、、)

 

He has died for 3 years.

He died 3 years ago.

 

どっちが正しいでしょう?

 

He has died for 3 years. はおかしいです。He has been dead for 3 years.からforを使ってもいいような感じがしますが、間違いです。forは期間を示す前置詞ですが、dieはあくまで「瞬間的」であって「継続的」ではない事がポイントですね。期間を伴うのはおかしい。

 

He has died for 3 years.

 

ですと、「彼はこの3年間、何度も死んでいる」というような感じになってしまいます。死んでは生き返り、また死んで、、、まるでマリオです。

 

このように、deadとdieとdeathはそもそも、品詞が違います。
なので、TOEICなどの試験で空欄補充で出題されても、入るべき品詞をきちんと見極められれば難しい事はありません。

 

The (    ) of the president was huge loss for the company.
社長の死は会社にとって大きな損失だった。

 

1. death
2. dead
3. die
4. died

 

空欄の前のtheから考えても、空欄の後のofから考えても名詞以外来ませんので、deathしかありえません。

 

His father (       ) 10 years ago.

 

1. is death
2. has been dead
3. died
4. has died

 

まず、父は10年前に亡くなっている、という事は分かります。
1ですと、”His father is death”「彼の父は死だ」という意味不明な文章なのでダメですね。
2のhas been deadは良さそうに見えますが、空欄の後が10 years agoとなっています。agoは「◯◯前に」という意味で、期間を表すものではありません。先に説明した通り、deadを使うにおいては、「10年間死んだ状態だ」としなければいけないので、期間を表すforが無いと成り立ちません。

 

3なのか4なのか、という事ですが、どっちでしょう?
現在完了はそもそも「過去を明確に示す言葉と一緒に使わない」というルールがあります。10 years agoというのは明らかに過去を示す言葉なので、一緒には使えません。仮に”He has died for 10 years.”だったとしても、おかしいですね。先ほど言ったように「死ぬ事を繰り返している」という意味不明な文章になります。

 

dieはあくまで瞬間的な「死ぬ」という動作(正確には死ぬのは動作ではありませんが)を意味します。
なので、10年前に死んだ、となる4が正解。

 

 

プラダを着た悪魔に見る、dieのビジネスシーンでの使いどころ

 

まあ、これは息抜きというかオマケ。

ちょうど2:00あたり。編集長のミランダが、アシスタントがコーヒーを用意していない事に対して、

 

“Is there some reason that my coffee isn’t here? ”
私のコーヒーが無いのは、何か理由があるのかしら?

 

“Has she died or something?”
彼女、死んだか何かかしら?

 

 

鬼ですね。
上司がこんなんだったら心がいくつあっても耐えられません。

 

一方で自分で使うにもかなり勇気が必要なフレーズです。

 

強いていえば、、、アナタが海外の拠点に対して見積もり依頼をしたのに、一向に見積もりが送られてきません。催促しても返答無し。そこで、依頼をした相手の上司に向けて。

 

“Is there some reason that my request for quotation has not been answered for a week?”
私の見積もり依頼に1週間返答が無いのには何か理由があるの?

 

“Has he died or something?”
彼、死んだとか?

 

かなり嫌みです。嫌われます。関係は悪化します。

 

アナタが、「もう会社辞めるから関係ない」という極めて大胆になれる状況にあるか、相手を完璧に威圧するだけのミランダのような実績とオーラがある場合にのみ使えるフレーズと言えるでしょう。

 

ま、使わないっすね。普通。

 

とことで、この”Has she died or something?”について、「ん?」と思った人はいるでしょうか?
だとすると、勘がいい人ですね。

 

なんで、現在完了なんでしょう?

 

dieは「瞬間的」なイメージだと言いました。

 

であれば、継続、完了、経験などを表す現在完了形はおかしいのでは?

 

現在完了には「続いている」ニュアンスがあります。なので、最初の方で例文として使ったように、”has been dead”とするなら分かるけど、dieに何故、現在完了系なんだ、という疑問がわいてきます(え、わかないって?、、、、わいて。)

 

この辺の現在完了のニュアンスは非常に大切かつ、日本人的には分かりにくい感覚でもあるので次回改めて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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