英文法を勉強している中で、厄介モノの代表と言えば「時制」。
「現在形」「過去形」「未来形」まではスムーズに進むも、「現在完了」「過去完了」あたりから雲行きが怪しい。
学生時代にそんな経験をした人は多いはず。
そういう人の多くは大人になって、一発奮起して英語をやり直そうとするも、また同じとこでつまづく。
最初はモチベーションが高いし、なんか学生の頃に苦手だった部分も克服できちゃいそうな気がするんだけど、悲しきかな、そうは簡単にいかない。
実は、私は高校の時に全然英語ができませんでした。
特に時制がチンプンカンプンで訳が分からなかったんです。
過去形と現在完了の違いはもちろん分からないし、現在完了と過去完了形の違いも分かっていない。
それどころか、現在形と現在進行形の違いもよく分からない。
そんな僕に参考書は、「現在完了とは過去のある時点から現在に至る継続・完了・経験を表す」と、何かの呪文のような説明をしてくる、、、。
そりゃ訳わからんですよ。
当たり前。どうやって理解しろってーの。
今見てもよー分からん。
でも心配しなくて大丈夫。
時制が分からないのはあなたのせいじゃないし、視点を変えて取り組めば時制はあなたの得意ジャンルになる。
ホント、TOEICのパート5の時制関連の問題なんてサービス問題に見えてきます。
1. そもそも何故、僕らは時制が苦手なのか?
ところで、英語の時制って何個あるか知ってます?
現在形
現在進行形
現在完了形
現在完了進行形
過去形
過去進行形
過去完了形
過去完了進行形
未来形
未来進行形
未来完了形
未来完了進行形
実に12個!
時制のダース。
対して日本語。
現在形
過去形
未来形
少なっ。
でも、英語と日本語の時制の数はそんなに変わらないと思ってる人がとても多い。
全然違いますよね。
「え、数が違うと何が問題なの?」というと、日本語話者の私達には分からない時制感覚が英語にはあるという事。
だから、なかなか理解できないんですね。
2. 時間にルーズな言葉
これは、「アメリカ人は待ち合わせに平気で遅れてきやがる」とかそんな話ではないですよ。
この記事にこの文章がありした。
「私は高校の時に全然英語ができませんでした。
特に時制がチンプンカンプンで訳が分からなかったんです。
過去形と現在完了の違いはもちろん分からないし、現在完了と過去完了形の違いも分かっていない。
それどころか、現在形と現在進行形の違いもよく分からない。
そんな僕に参考書は、「現在完了とは過去のある時点から現在に至る継続・完了・経験を表す」と、何かの呪文のような説明をしてくる、、、。」
これって、高校の時の話だから、内容としては「過去」の話ですよね。
では、赤字に注意してみて下さい。
「私は高校の時に全然英語ができませんでした。
特に時制がチンプンカンプンで訳が分からなかったんです。
過去形と現在完了の違いはもちろん分からないし、現在完了と過去完了形の違いも分からない。
それどころか、現在形と現在進行形の違いもよく分かっていない。
そんな僕に参考書は、「現在完了とは過去のある時点から現在に至る継続・完了・経験を表す」と、何かの呪文のような説明をしてくる、、、。」
お気づきだと思いますが、全体としては過去の話なのに、ある部分は過去形である部分は現在形になっています。
でも、日本語として不自然ではないですよね?
むしろ、全部の動詞を過去形にキッチリ揃えるよりも躍動感がある。
つまり、
日本語は時制に関してはチョー柔軟という事。
でも、英語では時制はきっちり揃えないとダメ。
全体として過去の話なのに現在形を混ぜるなんて生理的に無理。
英語は時制に対してとても神経質なんです。
だから日本人は上の文章を日本語に引きづられて
I was not good at English when I was in a high school.
Especially, I couldn’t understand about tense of it.
Of course, I don’t know the difference between past and present perfect or that between present perfect and past perfect. What’s worse, I don’t even understand the difference between present and present continuous.
なんてやってしまいがち。
会話では相手が汲み取ってくれるレベルですが、ライティングとしては完全なる不正解。
人間は日本の方が几帳面なのに、言葉は違うんですね。
やーね、変なとこだけ几帳面な人って。
3. 時制マスターへの鍵
文法知識でしょうか。
それも大事ですが、違います。
ズバリ、
英語ネイティブの時制感覚を身につける事。
例えば、日本語を勉強し始めた外国人の方から「その資料は昨日既に提出します」と言われたら「ん?」と違和感を覚えますね。「ああ、昨日提出したのね」とすぐに分かりますが、違和感はあります。
これは感覚的に分かる事です。
この感覚を英語でも身につけられれば無敵な訳です。
時制が苦手な人に共通するのは、日本語を原点にしてそれを機械的に英訳しようとする事。
つまり、『日本語で「〜した」「〜だった」だから英語でも過去形』のような万能なルールを求めてしまう。
確かにそんな簡単なルールがあればいいんですが、誠に残念ながらあらしまへん。それどころか、ルールを求める事は逆効果。
だって、現在完了なんて「〜した」と訳す時もあれば「〜している」と訳す時もあるし、過去完了も過去形も日本語にしてしまえば違いなんて見えない。
こうなってくるとルールに頼ろうとしている人は、「え?!『〜した』なのになんで過去形じゃないの?じゃあ、現在完了と過去形って何が違うの?」とfall in ドツボ。
先ほど言った通り、日本語は時制に関してはかなり寛容な言葉なので、それを基準にしてルールを作っても全然あてにならないんですね。
「じゃあ、感覚で捉えるにはどうしたらいいんだよコンチクショー」
って話ですが、残念ながら参考書の説明を穴が開くほど読み込んでも身に付くものではありません。
英語の時制感覚を身につける事と文法知識をつける事、例えば「had+過去分詞で過去完了で、大過去といって、過去形よりも以前の◯&%$##◇、、、」みたいなのは全く別物です。
そこを誤解して後者の文法知識だけを身につけようとするからいつまでも時制感覚が身に付かない、
まずは、英語独特の時制の感覚がどんなもんかを理屈を通して知る。
その後は「習うより慣れろ」でアウトプットを重ねて感覚に刷り込んで行く。
現在完了なんて概念はそもそも日本語には無いものです。
いくら私達自身の頭の中をほじくり回しても「現在完了形の感覚」は見つからない。
だから、意図的に理屈から学んで、感覚レベルで捉えられるまでアウトプットを重ねる必要があるんですね。
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