社会人にとって英語学習の最大の敵は、なんといっても「時間」である。
遅くまで残業した日には勉強する気力も残ってないし、まして翌朝に早起きして朝勉なんてできやしない。
学生と違って毎日2時間も3時間も時間を確保できるワケではない。
そこで重要なのが、無駄な時間をかき集めて学習時間を捻出するという事になる。
朝、早く起きたり(私は朝がちょー弱いのでムリだけど、、、)、昼休みを勉強に充てたり、帰りにカフェかどっかに寄ったり方法は人それぞれ。
中でも、誰もが一番簡単に勉強時間を確保できるのは、通勤時間を英語学習に充てる方法。
今回は、電車通勤を前提として、いかに時間を有効活用し短期間で結果を出すかについて。
毎日通勤時間や昼休みを使って英語を勉強して1年でTOEIC 400→800点まで叩き上げた人を知っているけど、やっぱり短期間で結果を出す人は時間の使い方が違う。
1. 2つのプロセス
一口に英語の勉強といっても、実に様々な方法がある。
・洋書を読む
・英字新聞を読む
・英語アプリでクイズを解く
・英語ニュースを聞く
・TOEICの問題集を解く
・映画を見る
・音読をする
・ディクテーションをする
上げるとキリがない。
その中で、通勤時間を充てるべきものはリスニング。
ただし、リスニングの対策は一つとーーーっても重要な事がある。
英語が伸びないと悩む人は、“リスニング対策 = 英語を聞いて耳を慣らす”と思っている。
実はコレは間違っている、というよりも足りていない。
リスニング力を高めるトレーニングは2つのプロセスで構成されている。
1つは、チョーーー集中して聞き取る努力をする事。
テキストを見ずに何回も聞く。そうすると1回目より2回目、2回目より3回目の方が聞き取れる部分が増えてくる。
音と文脈からできるだけ多くを聞き取る。
ただ漫然と聞いてはいけない。
最大集中で聞く。
「なんとなく」とか「自然に」耳が慣れると思っているならいつまで経っても伸びない。
漫然と聞いているのはただの雑音と変わらない。
さらに、最初っからテキストを見るのもNG。
脳に負荷がかからないので、まったく力が付かない。
筋トレと一緒で英語力を伸ばすには負荷が必要。
とにかく集中してキストを見ずに最低5回は繰り返し音声を聞く。
そして、「繰り返し聞いてるうちに聞き取れた箇所」「何回聞いてもムリだっった箇所」を洗い出す。
そして、2つめのプロセスは原稿の徹底理解と徹底音読。
実は1つ目のプロセスだけではリスニングの力は殆ど伸びない。
残念ながら半年たってもリスニング力は伸びていないだろう。
2つ目のプロセスこそが英語力を伸ばすところで、1つ目はその下準備。
ここまでやって一つの音声から100%を吸収できる。
一つでも要素が欠けていると、その音声からあなたが搾り取れる英語力は半減すると考えていい。
音読は下準備の質で効果が変わってしまう。
テキストを見ずにいかに集中していかに聞き取れたか。
いかに丁寧に原稿の理解をしたか。
これによって効果は120%にもなれば10%にもなる。
つまり、教材を活かすも殺すもあなた次第という事。
通勤時間はこの下準備にあてる。
下準備は声を出す必要が無いので、電車でできるから。
例えば通勤時間が片道1時間以上あれば、通勤の時にテキストを見ずに集中して繰り返し聞いて、帰宅する時に単語・構文チェックをしてもいい。
ちなみに私は電車に乗ってるのは片道20分くらいなので、テキストは携帯していない。
往復ともに1つめのプロセスにあてているから。
それに、テキストがカバンに入ってると、見ちゃうのであえて持って行かないという意図もある(笑)
2. オススメの通勤英語マテリアル
では、何を使えばいいのか。
TOEIC500点くらいであれば(TOEICで計るのもムリがあるので、あくまで目安)、教材の条件として、
・スピードが早過ぎず発音が明瞭
・原文がついていて
・和訳もある
オススメをあげるとすれば
・やさしいCNN NEWS DIGEST
・多聴多読マガジン
・究極のビジネス英語リスニング Vol.1 〜 Vol.2
このレベルではきちんと編集されて、訳文もしっかりしているので安心して使える。
特にTOEIC対策中の人は最後の「究極の〜」はオススメ。
頻出単語も抑えられるし。ビジネス英語なのでTOEICをオーバーラップする部分が非常に多い。
TOEIC600点を超えたら
・NEWS DIGEST
・ENGLISH JOURNAL
TOEIC700点を超えたら
・CNN STUDENT NEWS (Podcast)
・TED
これらは無料で動画もスクリプト(原稿)もダウンロードできる。
ただし、原稿はあっても和訳も無ければ、重要単語の解説なんかも無いし、速い。
無料なのは魅力だけど、使いこなすには伴った力が必要。
無料だからといって、最初から手を出すときちんと消化できないので、初心者にはオススメしない。
お分かりのように、実は英語というのはレベルが上がれば上がる程、お金がかからなくなってくる。
最初はどうしても、きちんと解説がついたものが必要だから。
3. まとめ
せっかく通勤時間を学習に充てても、ふさわしいものを集中しながら使わないと意味がない。
例えば、チョロチョロとスマホアプリでTOEICの問題を解いてみたり、単語カードをペラペラする、そういった事は試験勉強であって英語のトレーニングとは違うし、適切な教材を使ってても半分寝ながらやっていては効果ゼロ。
ただ、こういった事をしてしまっている人はホントーーーに多い。
何もやならないよりはマシ、という気持ちでやる学習はホントに意味がない。
勉強している気持ちになっているだけで、英語力は伸びていないと考えるべき。
「とりあえず通勤中に◯◯を聞いているんだけど、、、他に何をすべき?」
そういう質問をこのブログからメールで頂いたり、知人から相談される。
正直に答えると、「とりあえず」というスタンスは何を使っても意味がない。
通勤英語で結果を出す人と出せない人の違いは教材の違いではなく教材の活かし方。
集中している人としていない人、あるいは効果をきちんと狙っている人と漫然とやっている人。
例え同じ教材を使っても半年で圧倒的な差がつく。
TOEICでいえば100点〜200点くらいの差はすぐに開く。
通勤英語をしているのに効果を感じない場合は
・集中して聞いているか
・いきなりテキストを見ていないか
・知らない単語をきちんとチェックしているか
・文章構造を理解できているか
・音読をしているか
をチェックしてみて欲しい。
どれか一つでも欠けてたら学習方法として不完全になってしまっている。
あるいは、
・テキスト無しで聞いて半分も意味が分からない
・知らない単語がとても多くて単語を調べるだけで時間がかかる(大体、ニュース1記事に対して20個以上)
・原稿を見てもよく意味が分からない、一文が長過ぎて構造が分からない
といった場合は教材のレベルが合っていないので、無理をせず一旦レベルを下げる。
適切な教材選定と適切な使用法。
この2つのチューニングが上手くいくと、あなたの通勤時間の20分間は他の人の2時間分にも3時間分にもなる密度になる。
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