今月、旅行で台湾に行ってきたのですが、以前からどうしてもやりたかったコトを実現しました。
それが、Chenjingkai Officeという靴屋さんで靴をオーダーメイドすること。
“旅行先で靴をオーダーメイドするー。”
「え?旅行先で靴をオーダーメイド?」って感じですよね。
旅行といえば、有名な観光スポットを巡って、ご当地グルメを堪能して、お土産を買う、というのが王道ですし。
海外旅行にいって、靴をオーダーするなんて中々ないじゃないですか。
その体験自体にワクワクしてましたし、デザイン的にも「日本ではありそうでない感じ」でカッコよくて、以前から行ってみたかったんですよ。
Chenjingkai Officeとは?
まず、Chenjingkai officeとはどういうお店かというと、オーダーメイド専門の靴屋さんです。
「オーダーメイド」と聞くと、敷居が凄く高く感じますよね。
なんとなく、お金持ってるオジサンの領域というか(笑)
まず、敷居は高くないです。
Chenjinkai Officeは”セミオーダー”なので、10万円以上かけて、足を採寸して作るような、いわゆる”bespoke”とは違います。
パーツごとに、あらかじめ用意されたパターンの中から組み合わせて、完成させていきます。
場所は信義安和駅(シンイーアン)から歩いて10分弱くらい。
駅から出てすぐ右に曲がってひたすらまっすぐ。
営業時間が夕方の4時から、という独特のスタイルです。
最初、誤記かと思ったんですが、マジで16時開店です。
どんな靴が作れるの?
店舗に入ると左側にズラッとサンプルが並んでいます。
後、参考になるのはinstagramの投稿。
過去にChenjingkai Officeで靴を作った人たちがアップしています。
オーダーの仕方はあとで詳しく書きますが、私も事前にinstagramでざーーっと眺めて自分の欲しいイメージをざっくり固めてから行きました。
これらは店に置いてあるサンプルで、当日写真を撮らせてもらったものです。
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你可以說 我要這個那個還有這個或那個 各式皮革 沒有不可能 #footwear#shoes#Leathershoes#madeintaiwan#chenjingkaioffice#靴#革靴
こんな感じで、オーソドックスなデザインから、複数の色を組み合わせた独特なデザインのものまで幅広く作ることができます。
メンズもレディースもあります。
Instagramで#chenjingkaiofficeと検索すれば、1,000件以上投稿があるので見てるだけでも楽しいです。
見ていると、緑色のシューズをオーダーしてる人が結構多いんですよね。
すごく綺麗な緑だし、あまり緑の革靴って見ないじゃないですか。
お店の人に聞いても緑はすごく人気なんだそう。
実は、上にインスタ投稿の緑のローファーが綺麗だなと思って、「この色ありますか?」って聞いたら売り切れたってコトでした。
その代わりに多様な緑色の革はあったので、そっちにしましたけど。
オーダーの仕方は?
まず、オーダーの仕方ですが、以下の6項目を選んでいきます。
説明の便宜上1~6と番号をふってますけど、決める順番は「サイズが最初」という以外、特に決まってないようです。
1.サイズを選ぶ
まずはサイズを選びます。
店員さんに普段のサイズを伝えればOK。
「普段、革靴で25.5cmです」と伝えれば近いサイズのサンプルシューズを裏から持ってきてくれますので、試着しながらちょうどいいサイズを決めます。
2. シューズのタイプを選ぶ
シューズのタイプは5つありますので、その中から選びます。
1.ダービー
一番プレーンな形。
クセがないのでチャレンジしやすいです。私もこの形にしました。
2.ギリー
一番ドレッシーな感じです。
3.ローファー
4.ブーツ
5. Uチップ
一番モッテリしたフォルムです。
オジサンっぽいといえばオジサンっぽいですが、Parabootが流行っているようにUチップは最近人気ですよね。
どんなパンツにも合わせやすいのが特徴です。
明るめの色にすればオジサンっぽさはなくなるかも。
3. 靴底を選ぶ
次に靴底を選びます。
いやー、、、写真を反対から撮ればよかったですね、、、すみません。
私が行った時には7種類ありました。
これもサンプルを履かせてくれるので、好みのもを決めます。
個人的には、クレープソールという、生ゴム素材(上のインスタの写真の手前二つの半透明っぽい色合いの靴底)は面白いなと思います。
インスタ見ててもクレープソール選んでる人が比較的多い気がします。
クレープソールはクッション性が高くて履きやすく、見た目的にはカジュアルな印象です。
そこにフォーマルな革靴のデザインを掛け合わせているのがChenjingkai Officeの靴のカッコいいところだと思うんですよね。
日本だと中々見ないな、と。
4~5 バックルとレース(靴ひも)を選ぶ
バックルっていうのは、靴紐を通す穴です。
金属のリングを取り付けられます。
ちょっとした部品ですが、これが金色か銀色か、はたまた何もつけないかで印象はガラっと変わります。
6. 色を選ぶ
色は革のサンプルから選んで組み合わせていきます。
ここが一番の悩みどころだと思います。。。
私は結局30分くらい「うーーん、、、、」と唸って決めかねました。
コーディネイト的に使いやすいのは黒とか茶色なんですけど、せっかく台湾まで来て靴作るのに普通ってのもなぁ、、、とか。
で、結局緑にしました。
結構、細かくパーツごとに色を変えられますし、左右で違う配色にするコトも可能です。
この投稿にあるように、靴の展開図に店員さんが色を書き込んでいきます。
これみたく、かかとの一部だけ色を切り返すなんてコトもできます。
繰り返しになりますが、とにかく、色選びが悩ましくて大変なんですよ。
だから、事前にinstagramの投稿かFacebokページで過去の作例とか、実際に買った人の投稿をヒントにして、自分が欲しい靴のイメージをざっくり固めてから行ったほうがいいです。
あと、私は展開図を見ててもイメージが湧かないので、「緑とナチュラル(ヌメ革)で作った作品ってありますか?」って聞くと、もし他のお客さんの注文品で似たようなものがあれば参考までに見せてくれたりもしましたよ。
価格は?納期は?言葉は?クレジットカードは?
私は6,980台湾ドルでした。
今のレートだとざっくり1ドル4円くらいまで上がってるので、大体27,000 – 28,000円くらいですかね。
昔は3円きるくらいだったのに、、、。
デザインのタイプと靴底で結構値段は変わりますけど、安くても6,000台湾ドルくらいはいくはずです。
納期は2か月弱くらい。
日本まで郵送してくれます。
私は3/17にオーダーしたのですが、5/10と言われました。
関東地方なら送料で600台湾ドルです。
言葉ですが、私は中国語は話せないので、ほとんど英語でした。
少し日本語を話せる店員さんだったので、英語と日本語のミックスでした。
まあ、パーツを選んでいくだけですし、でもそんな難しい会話ではないので、カタコト英語でも全然大丈夫です。
クレジットカードはメジャーなブランドなら使えるようです。
私はJCBでしたけど普通に使えました。
というわけで、5月に届いたらアップしようと思います。
<2019年5月17日追記>
先日、やっと届きました!
なんか郵便局の不在通知がポストに入っていて、差出人が「国際郵便」って書いてあって「え、、、なにコレ」ってちょっとビビったんですが、届いたらChenjinkai Officeからでした。
というワケで写真を。
中々の出来です。
靴屋ではまず見ないデザイン。
思ってたよりも緑に深みが無かったけど、履いているうちに深みが出てきそうで楽しみです。
一番のこだわりはカカトの部分だけヌメ革を使用して、切り返しにした点です。
これを履いてまた台湾に行きたい。
台湾旅行の楽しみはモノからコトへ
最後に、何年かぶりに台湾に行った感想として、すごい勢いで進化してるなと感じました。
街にあふれるフォトジェニックなスポットの多さ、おびただしい数のおしゃれカフェ、お土産のパッケージ一つとってもSNS映えが意識されています。
少し台北の市街地から離れれば、そこはまだ昭和の日本を彷彿させるノスタルジーに満ちているのですが、こと台北市街地の洗練の速度は目を見張るものがあります。
”おしゃれカフェ”と書きましたが、本格志向の店が多いです。
数年前に日本にBlue Bottle Coffeeが上陸した時に、一気に加速したサードウェーブの波は、こと台北においては日本の比じゃないです。
台北にユニークなのは東京と違って、あまり新しい建物が増えていないこと。
Chenjingkai Officeしかり、建物自体は古いままで中をリノベーションしているケースが多く、外と中の新旧の融合がなおさらイノベーティブな雰囲気を醸し出しています。
このムーヴメントの中で顕著なのは、台湾でもモノからコトへ消費は移ってるなってことでした。
私が出張でよく台湾に行っていた7~8年前は、おいしい料理を食べて、ウーロン茶買って、パイナップルケーキを買っていれば「台湾はコンプリートした感」がありました。
ただ、今は少し違う。
確かにお茶を買う人は多いのですが、その可愛いパッケージをSNSにアップするとか、ゆっくりと試飲しながら台湾のお茶文化に触れる体験に視点が移っているように思います。
マンゴーどっさりのかき氷も、まあ美味しいですけど、それを撮って共有することが目的になっている気がします。
今回のChenjingkai Officeしかり。
「外国でわざわざ靴を作る」っていう面倒な経験をあえてしたい、という思いが私にはあったので。多分、同じような靴は日本でも作れるのかも知れませんけど、ここで作るから意味がある。
後は台湾シャンプーとか。
なんで外国に行ってわざわざシャンプーしてもらうのよって(笑)
でもその体験をするコトに価値があるんですよね。
台南の方もリゾート化が進んでいてこれからもっと面白くなりそうなので、また行きたいです。
ちなみに、雑誌のBRUTSUの台湾特集、面白いです。
Chenjingkai Officeを知ったのもこの雑誌だったし、普通のガイドブックとは違う視点で色々紹介されているので台湾旅行に行く予定がある人は一読の価値ありです。
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