海外ドラマっていうと、最近はDVDじゃなくてHuluやNetflixなどの動画配信サイトで観るの普通になってきましたよね。
いい時代ですよねぇ。
何年か前までは、TSUTAYA行って一泊300円とかでDVDをレンタルしてたのに、今は月額900円くらい。しかもスマホで見放題。
これを英語学習に活かさない手はないです。
海外ドラマって英語学習に取り入れるとメリットだらけで、割と昔からススメられてた方法なんですが、色々とハードルがありました。
・全部のシーズンをレンタルすると結構な金額になるし、店に行かないといけない
・DVD BOXを買っても結構な金額になるし、場所も取る
などなど。
でも今はスマホやPCで、しかも定額で見られるので、こういった問題はなくなりました。
私が学生で英文科に通ってた頃にこれがあったらどんなに助かったか、、、、泣
とはいえ、海外ドラマを使って英語を勉強することに色々と疑問もあるかと思います。
「海外ドラマ観たからって英語話せるようになるの?」
「ただ観てるだけでいいの?」
「勉強にオススメな作品ってあるの?」
そんな疑問にお答えします。
海外ドラマって本当に英語の勉強に向いてるの?
まず、コレですよね。
海外ドラマを英語学習に使うことには、賛否両論あります。
「最高!フレンズ最高!デスパレートな妻たち最高!」
って人もいるし、
「はぁ?ドラマ?英語学習をナメるなよ」
っていう人もいます。
私的には、海外ドラマは全然アリ。ガンガン使うべき、です。
ただ、手放しでオススメするワケじゃないです。
「一日たった20分!寝る前にスマホで海外ドラマを見ていたら、いつの間にかネイティブと会話できるようになっていた件」
とかナメた事を言うつもりはありません。
まあ、これは私が今勝手に考えたタイトルですが、こういう事を無責任に言う人っているんですよ。
私は、まがりなりにも英文科出て、メーカーや商社で海外ビジネスやって、、、と英語とは長い付き合いですし、最初はマジで英語に苦労しました。
だから、ラクして英語を身に着けよう、みたいな教材とかメソッドには”No”を突き付けるタイプです。
(「楽しむ」はOKですが、「楽(ラク)する」はダメ)。
スピードラーニングとか、スッゴイ嫌いですし(笑
理論として成り立ってないし、そもそもモニターの人、英語下手すぎ。
あんなの「英語話せる」って言わないし、あのレベルでいいなら金額が高すぎです。
ちょっと話が逸れました(笑
海外ドラマも、映画も、洋楽も。
ただ観たり聴いたりしてるうちに、急に英語力が開花して「え、英語がわかる、、、!」という日が来るコトは無いです。
それだけは最初に伝えておきます。
つまり、「使い方」が大事ということで、それは追って詳しく説明します。
まずは、海外ドラマを英語学習に取り入れるメリットをお伝えしたいと思います。
「教科書英語」から脱却して、ネイティブな会話を学べる
当たり前ですが、ドラマは基本的に会話の上に成り立ってますので、英会話を身に着けるには良い教材となります。
一方で、CNNやVOAといった海外のニュースは、リスニングの力はつきますが、会話の力をつけるには不向きです。
なぜなら、ニュースはナレーションであって会話ではないから。
人がしゃべってはいますが、文章としては口語ではなく、文語に近いので会話とは質が違います。
洋楽とかプレゼンのTEDなんかも同じです。
一方通行のコミュニケーションなので、会話とは文体が大きく異なります。
あるいは、TOEICや英検のような試験を目標として勉強する人も多いと思います。
英語力の基礎を作っていくにはイイのですが、やっぱり会話力はなかなか身に付きません。
TOEIC900点でも会話が苦手な人は沢山いますから。
やっぱり試験は、「教科書英語」なので限界があります。
で、「教科書英語」から脱却して、「伝わる英語」を身に着けるには?っていうと、やっぱりネイティブからパクるのが一番です。
とはいえ、ですよ。
友達にネイティブスピーカーがいるとか、海外に留学できる状況にあればイイですけど、多くの人はそうもいかないですよね。
「じゃあ、日本で、しかも独学で英会話の力をつけるには?」
というと、ドラマが教材として一番向いています。
じゃあ映画はどうなの?
海外ドラマって一話が20分とか30分。
それゆえに、「あと一話だけ、、、」っていう永遠のループにはまりやすいですが(笑)
一方で、映画って長いじゃないですか。2時間とか。
だから、「よし、観るぞ!」って感じで気合入れて観ないといけない。
これが「ただの映画鑑賞」ならいいですが、あくまで英語学習ってことですと、毎回2時間を確保するのは辛くないですか?
ドラマなら、ベッドに入って寝る前に「ちょっと1話観るか」みたいな感じで気軽に観られますし(一話で済まなくなるケースが大半 笑)
あと、映画だと設定が現実とかけ離れているものが多いので、素材選びに結構慎重になる必要もあります。
覚えられなかった単語やフレーズ、もう忘れません。
「会話表現が学べる」とか「手軽に観られる」っていう話は、よく言われることです。
ただ、もう一点大事なポイントがあります。
私の見た限り、他のサイトでは触れていないんですが、ドラマを観る事で、勉強で得た知識が深く定着するようになります。
コレ、大事です。
英語学習で挫折する理由で多いのは、「単語やフレーズが覚えられない」です。
私も昔は英単語が覚えられなくて、凄くイライラしました。
大事なポイントなんで少し詳しく話します。
「なんで英単語が覚えられないんだろう、、、」
コレ、記憶力の問題だと思っていませんか?
私は昔そう思ってたので、「オレはどんだけ頭悪いんだよ、、、」と自分が嫌になりかけました。
本当は違います。
この問題の最大の理由は「知識がイメージと結びついてない」って事です。
例えば単語帳に、
generous : 気前の良い、寛大な
とあり、「generous、気前の良い、寛大な、、、generous、気前の良い、寛大な、、、」と呪文のように暗記しても、大体すぐに忘れます。
これは、generousという単語と「気前の良い、寛大な」という日本語を、具体的なイメージがないまま、字面だけで結びつけようとするからです。
単語帳の例文も、
A generous donation to a charity.
慈善団体への寛大な寄付
といった具合。
正直、「どーゆー場面で使うねん、コレ」って感じじゃないですか?会話でこの一文を使うイメージ湧かないですよね(汗)
“What’s your hobby?”
趣味は何ですか?
“A generous donation to a charity.”
慈善団体への寛大な寄付です。
、、、、ないないない(笑)
どんな会話だよっていう。
単語帳の例文って、なんかイメージが湧かないので、印象に残らないんですよね。
なので覚えられない。
言葉が一番記憶に残るのは、その単語やフレーズが実際の会話で使われた時です。
単語帳で前に見たことのあるものが、ドラマや現実の会話で使われた時など。
先ほどのgenerousという単語も、
“Hey…so, what’s with the 20% tip?….Did I do something wrong?”
“…..20% is pretty generous tip, Joe.”
「チップが20%って、、、何か悪いことした?」
「、、、(何言ってんだ)20%は多いほうだ」
フレンズ シーズン6より
ってシーンを観ると、実際に使われているイメージが鮮明になりますし、「あ、こないだ覚えた単語が使われてる!」っていうちょっとしたデジャヴも手伝って、記憶に深く刻まれます。
「何度読んでも覚えられなかった単語が、ドラマに出てきただけで、一発で覚えた」なんて事は日常茶飯事です。
特にドラマは会話量が多いので、単語やフレーズがデジャヴするチャンスが多くあって普段の勉強との相乗効果が凄く高い。
このメリットはメチャクチャ大きいですよ。
ここまでをまとめますと、
・海外ドラマは英語学習に有効です
・ただし、「ただ観てるだけ」では効果はない
・メリットは、教科書英語から脱却し、自然な会話表現を見つけられること
・寝る前などに気軽に観られること
・勉強で覚えた単語やフレーズがデジャヴして、記憶に深く定着すること
って感じです。
「楽しい」が最強。
ちょっと話が理屈っぽくなりましたが、何よりも大事なのは、「ドラマって楽しいじゃん」ってことです。
英語学習というと、問題集や参考書を買い込んで、苦行のように机に向かうことをイメージしがちですよね。
最初のうちは「頑張ってる自分」を実感できていいんですが、2週間もすれば辛くなってきます。
英語の最大の敵は、モチベーションがすぐに下がることです。
英語で失敗する人で、「1年以上頑張ったけど、全然上達しなかった」という人は極めて稀です。9割以上は3ヵ月以内に辛くなってやめてるだけです。
センスとかの問題じゃなく、ただ単に「やめただけ」です。
なので、モチベーション低下を避ける仕組みを自分で作るべきなんです。
その仕組みというのは、「英語を楽しむ時間」です。
「勉強だ!」と肩肘はらずに英語に触れるような時間。
外国人の友達と飲むでもいいし、映画を観るでもいいですけど、私は海外ドラマを観るのが一番手間がかからないかな、と思います。
とにかく、英語学習が「苦行」にならない時間を作ること。
これが大事です。
初心者でもできる。超簡単な海外ドラマ活用法。
「で、どうやって学習したらいいの?」
とりあえず、超シンプルなので心配しないでください。
まずは、日本語字幕で観る。
次に英語字幕で観る。
気に入ったセリフは真似して口に出してみる。
これだけです。
間違っても最初から「字幕無し」でトライしないこと。
全然理解できなくてストレスになります。
先ほど書いたように、海外ドラマを使う目的は「楽しむ」ことにあります。
基本はまず、日本語で意味をしっかり理解する。
その上で、「じゃあ英語で何て言ってるか?」を確認する。
この繰り返しです。
ただし、1日に同じ話を2回観るのは嫌でしょうから、1日目は日本語字幕で、翌日は英語字幕で、という感じで時間差で進めることをオススメします。
あとは、真似して口に出すこと。
「シャドーイング」っていう小難しいセオリーはあるのですが、深く考える必要はないです。
なんとなく、「このフレーズいいな」って思ったら、真似して口に出すクセをつければそれでOK。全部のセリフなんてやってらんないので、自分がピンときたセリフだけ。
それだけで、会話力はもちろんリスニング力も飛躍的に向上します。
「え、口に出すとリスニング力も伸びるの?」
と疑問に思われた方は、コチラの記事をどうぞ。
【寝不足必至】学習にも使える面白いドラマはコレ。
英語学習にオススメな海外ドラマをいくつか紹介します。
とりあえず鉄板。「フレンズ」
いやもう鉄板です。
ジェニファー・アニストンが可愛すぎる。
私は高校生の時に、はじめてフレンズでジェニファー・アニストンを知ったんですが、「世界にはこんな可愛い女性がいるのか」と思ったものです(笑)
面白い海外ドラマを紹介するサイトでも間違いなく入ってくるドラマです。
10年も続いただけあって、単純に面白い。
フレンズはいわゆる「シットコム」の典型で、笑い声が入っていて、舞台はいつも同じ場所です。
女子グループの家か、男子グループの家か、近所のカフェ。
この3カ所のシーンしかない(笑)
シットコムは好き嫌いが別れますが、私は英語学習にはいいと思ってます。
英語は言葉ですから、文化とは切っても切り離せません。
いくらTOEICの勉強をしようが、単語を覚えようが、「アメリカ人の笑いのツボ」みたいなのは分からないです。
シットコムは笑い声が入っているので、笑いどころが分かります。
逆に笑い声入ってないとギャグだったのかさえ分からない事が多くなっちゃいます。
そういう、「文法」とか「ボキャブラリー」とは別の部分もふくめて「言葉」ですから、フレンズは勉強になります。
シットコムを使った学習法をさらに詳しく知りたい方は、こちらの本もオススメ。
ビジネス英語ならコレ一択。「スーツ」
日本版もやってましたよね。
私は見てないですけど。
本家のスーツは、ほとんどのシーンがオフィスの中。
常にビジネスのシーンなので、フォーマルな英語が沢山でてきます。
弁護士ドラマなので交渉シーンが多いのですが、「丁寧だけど強い表現」が沢山でてきて、勉強になります。まあ、とはいっても交渉にイラつくと、すぐに汚い言葉を吐きますけどね(笑)
個人的には、英語そのもの以外にも、スーツで登場する交渉の仕方はビジネスマンにとっては勉強になる部分もあると思います。
ドラマの通りにやったら即効でクビでしょうけど(笑)、ただ、日本人の交渉の仕方とは全然違うので、学ぶものはあります。人の説得の仕方とか(悪く言えば利用の仕方)とか、根回しとか取引の仕方とか。
あとは、アメリカの契約社会っぷりや、日本との裁判制度の違いがよく分かります。
日本でも裁判員制度はあるにはありますが、アメリカは陪審員制度がベースなので、いかに一般人に響くかに答弁の重きを置いていることとか、学歴の重要性が凄く高いとか面白いです。
格式高い英語をマスターしよう。「ビリオンズ」
コレが最近だと一番はまってます。
ヘッジファンドの帝王(アクセルロッド)と検事(チャックローズ)がバチバチと攻防戦を繰り広げる話。
アクセルロッドは、幼いころに貧乏だったけど、投資会社で成功して億万長者になった人。いわゆる成り上がり系。
一方でチャックローズは名家で生まれ育ったお坊ちゃま。とはいっても、野心家で、頭のいい策略家。
この真逆な環境の二人のぶつかり合いはマジで面白いです。
みどころはチャックローズ役ポールジアマッティの英語。
設定が名家出身なので、話す英語も品がある。
あくまでアメリカ英語だけど、イギリス英語のような落ち着きと気品があるっていうか。
ちょっと憧れます。
これはNetflix限定だったはず。
ドラマと合わせ技で使いたい、ネイティブに近づくための便利アプリ
最後に、海外ドラマと合わせて使うのにオススメなアプリがあります。
「単語帳メーカー」というアプリです。
「英語が上手な人」ってどんな人だと思いますか?
難しい単語をたくさん知っていて、複雑な構文を使いこなせる人でしょうか?
私は「自然な表現を使える人」だと思います。
実際、フレンズを観ていても、そこまで難しい単語って出てこないです。
日本の難関私大の入試問題の単語の方がよっぽど難しい(笑)
でも、フレンズの英語は日本人には最初わかりにくい。
例えば、
“Hang in there!”(頑張れ)
とか
“hit it off”(彼氏・彼女とうまくやる)
とか、単語は簡単ですけど、意味は知らないと分からない。
完全な口語表現です。
こういうのを、シチュエーションに合わせて(フォーマルな場ではフォーマルな表現を、友達とはカジュアルな表現を)うまく使いこなせる人ってやっぱり「英語できるな」って感じするんですよね。
こういった自然な表現を身に着けるために、私は「このフレーズいいな」と思ったら単語帳メーカーにストックするようにしています。
ノートにメモるのもいいんですけど、めんどくさいし後で見返さないんですよね。。。
アプリに入れておけば、暇な時にスマホで見返せるので。
自分で単語帳を作れるアプリはいくつか試したんですが、これが一番シンプルでいいです。
フラッシュカードで覚えたかを簡単に確認できるのもいいですし。
先ほど書いたように、海外ドラマを使うメリットは自然な会話表現を身に着けることですから、このアプリとの合わせ技で、ガンガン吸収しましょう。
ちなみに、単語帳メーカーは、私のように自分で単語帳を作る以外に、「デッキ」と呼ばれる作成済みの単語帳みたいなのがあって、それをインストールしてフラッシュカードで覚えるという事もできます。
TOEIC用の単語デッキなどもあるので、それを入れるのもいいですね。
海外ドラマで楽しい英語生活を
冒頭に書いた通り、海外ドラマは観ているだけでは英語の成長につながりません。
ですが、正しい方法を使えばきちんと効果は出ます。
そもそも、英語を勉強する理由は「英語を話せるようになること」だったと思います。
まあ、例外的に昇進試験とかで「TOEIC700点が取れればそれでいい」って人もいるでしょうが、多くの人は「喋りたい」がきっかけだったはず。
TOEICの問題集をゴリゴリやるとか「ハードな学習」を神聖化して、ドラマを観るといった「ライトな学習」を否定する人もいますが、どっちも大事です。
両方が合わさって初めて「使える英語」になります。
好きなドラマを観ていたら3ヵ月とか結構あっという間です。
その時に3ヵ月前の自分と比べてみると、知ってる表現の数とか、聞き取れる具合とか全然違うことになってますよ。
是非、お試しください。
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