TOEIC参考書 評価レビュー vol.1 「新TOEIC TEST 出る順で学ぶボキャブラリー990」

本屋の語学コーナーへいくとTOEICの参考書は実に多い。

 

どれも効果がありそうなタイトルばかりで決めらんない。

 

bookstore_toeic

 

 

 

 

 

 

 

 

「3週間で〜」

 

 

「これ1冊で〜」

 

 

「完全制覇〜」

 

 

「完璧マスター」

 

 

挙げればキリがないキャッチコピー。

 

 

「またまた、、、、1冊やっただけで英語ができるように、、、、なる、、、のかな、、?」

 

 

出版する側は他の参考書に埋もれないように極力インパクトのあるタイトルを付けたがるんですが、皆が同じ事を考えているので結果どれも同じに見えてしまう。

 

 

結果、本当にいいものを見分けるのが難しくなっています。

 

 

 

 

ネットで検索しても良い点ばかりが紹介されているので、あまり参考になりません。
個人の「好き・嫌い」「合う・合わない」の感覚次第で180度評価が変わってしまうので、何を信じていいのか分からない。

 

 

そらに悩ましいのは「売れている  = 良書」とは限らないという事。
確かに、TOEIC市場というのは語学系の書籍や教材の中ではとても激戦区なので、内容の薄っぺらいものはすぐに淘汰されます。なので、長く売れ続けているもので悪書というのはそうそうありません。

 

 

それにしても、売れてる割には「ん?」と思ってしまう参考書というのはあります。

 

 

このブログではもちろん良質な参考書も紹介はしていきますが、一方で「これアカンやつです」といった情報も紹介して行こうと思います。

 

 

参考書の良し悪しを見分ける目というのは英語学習を続けている中で養われていきます。
ですが、時間が限られた社会人にとって「参考書選びに時間をかける」のは勿体ない話。
「あれこれと悩んだ挙げ句、悪書を掴まされて時間を無駄にした」なんて事いならない為、少しでも役立つ情報をお届けしたいと思います。

 

 

 

toeic990_waords

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、今日はコレ。

 

 

 

新TOEICテスト 出る順で学ぶボキャブラリー990

 

TOEIC990_words

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でん!

 

 

これ、売れてるんですよねー。
とはいっても新書でもないので平積みで大売り出しされてる訳ではありませんが、大抵どこの本屋にも1冊はあります。

 

 

いわゆる「単語帳」ですが、私はいくつか気になる点があってオススメしません。

 

 

 

目次

1. タイトルが紛らわしい

 

 

990と付いているので、てっきり「満点を目指せる」レベルのものかと思ってしまったんですが、この単語帳は極めて初級レベルの単語で構成されています。

 

990っていうのは、見出し語となっている単語の数であって、スコアではないんですね。

 

これ1冊やっても990点は取れませんので誤解なきよう、、、。

 

 

 

2. 語彙レベルが低い

 

 

一応、MAXで860点までを想定しているようです。
見出し語見出し語、派生語、例文に出て来る単語を合わせて3,300語との事なので、「まあ、全部を覚えれば860点とれるレベルまで網羅してます」って事だと思います。ですが、どの単語帳でも見出し語以外の単語って小さく書いてあって覚えにくいし記憶に残りにくい。

 

単語帳は見出し語の数と頻出度合いの精度で目安となるターゲットスコアを提示するべき。誇大広告とは言いませんが、「頑張っても600点台前半までじゃ? 」というところ。

 

 

 

3. じゃあ、他の600点ターゲットの単語帳と比べてどうよ?

 

 

先に書いたように、これを600点くらいを目標としたものと考えるならば、最初の1冊としてはいいかも知れません。ですが、目標600点向けに発売されている他の単語帳と比べて特に優れた点がない、という印象です。

 

というのも600点が目標の場合、ガチガチのビジネス単語よりもっと基礎的な単語をまず身につけるところからになります。その点では本書の単語は簡単な単語ばかりなのでマッチしているようにも見えますが、いかんせん見出し語が少な過ぎる。

 

つまり、

 

簡単な単語ばっかりで、かつ見出し語が少ない。

 

 

なので、860点到達まで愛用できるものでもないし、最初の1冊をコレにする理由が見当たらないように思えます。

 

 

確かに、著者の神崎先生はTOEIC対策本では有名な人ですし、本書に「無駄な単語」というものはありません。例文音声の無料ダウンロードというのも好感が持てます。

 

ですが、本書で見出し語になっている基本単語というのは別にTOEICじゃなくても共通して重要な単語な訳で、他の単語帳でも十分カバーされてるものばかり。
何回も受験をしてノウハウを持っている神崎先生の強みであるはずの「ツボをおさえた単語選定」が活きていない。本当に「ツボをおさえた単語選定」が輝いてくるのは700点以上からの対策本。

 

私からすると、なぜこの著者でこの内容なのか謎。

 

 

 

まとめ

 

 

購入対象者:TOEIC〜500点
見出し語:990語
想定目標スコア:〜860(?)
オススメ度:★☆☆☆☆

 

本書は、初級者(〜500点)が持つには見出し語が少なくて心もとないし、長く愛用できない。一方で、700点以上の人はすでに知ってる単語ばかりなはず。従って、不要。

同じ想定目標スコアでの単語帳は多く存在しますが、あえてこれを選ぶ理由はないかと。
最後に、単語帳は語彙力の基礎を形成する為の補助ツールですから、それだけやってもスコアは伸びません。しかし、良質なものを使えば効率的に語彙を増やしていける一方で、そうでないものを使えば効率が落ち、スコアアップを妨げる要因にもなります。

 

良い単語帳を見分けるコツですが、

 

・想定目標スコアが適切か
・単語選定のツボが抑えられているか
・学習効率を考えた構成か
・TOEIC市場に力を入れている出版社か
・著者名がある場合、実際にTOEICを何回も受けている著者か
・レイアウトは見やすいか
・例文音声は入手可能か(できれば無料)

 

といったところです。

 

そして、一番重要なのは、1冊で全てをカバーしようと思わず割り切る事。
400点〜満点まで対応できるような単語帳はありません。
あるとすれば辞書並みに分厚くて挫折が目に見えています。

 

例えば600点が目標なら、それを想定したものを使う。
達成したらもっと上のレベルのものに変える。
そう割り切った方が結果的に効率的です。

 

「1冊やり終えた」という達成感をまず経験するべき。

 

欲張って1冊で済ませようとして続かない人は多いです。対象スコアの範囲が広ければ広いほど、広く浅いものになり、単語選定のキレが失われますし、容量が多くなるので挫折しやすくなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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