なんだか、かれこれ半年ぶりくらいに買ったような気がします。
English Journal。
英語学習雑誌としては鉄板といいますか。老若男女問わず愛されているといいますか。もはや聖典の域。
英語学習を長年している人はね、EJなんつって。略したりしてますけども。「あ、今月のEJ買った?」みたいな。もう「あ、今週のジャンプ買った?」みたいなノリですよ。大学生の頃に読み始めて、社会人2年目くらいまではほぼ毎月買ってたんですよ。定期購読しろよってレベルなんですが、定期購読しちゃうと勝手に届いちゃうじゃない?なんか強制されてるみたいでイヤだし、決して毎号を100%やってたワケでもないので、バラ買いでした。
そんな、私の英語力の大きな糧となってくれたEJですが、今でもたまに買ってます。
特に、口がなまってきたなぁ、、、という時は音読の為に買ったりしてます。あと、インタビューが好きな芸能人だったりとか。
今月号はカバーがTaylor Swiftです。
ねばーえばーえばー(never, ever,ever)、の人です。
まあ、ねばーえばー感で言えばLove Somebodyの織田裕二が圧倒的に勝ってるけどね。「ねばねばねばねば」言うてはりますし。
相当な歌姫ですな。ディーバですよ。ディーバ。Appleをも黙らせるディーバ。「あ、ヤバい」って思ったんでしょうかね。Apple社。「リンゴかじられちゃう」つって。「ロゴのかじった跡がもう一個増えちゃう」「芯見えちゃう」つって。
日本だと、なんかテラスハウスのテーマソングが爆発的に売れてましたね。見てなかったけど、、、。
というワケで、Taylor Swiftのインタビューを聞きつつ、音読しつつやってるワケですが、そのインタビューの中で仮定法を理解する上でいい文があったので。仮定法って、まあ、大体の人がいい思い出ないってゆーか、ここで英語につまづいたというか、「お巡りさん、あいつにヤラれました。彼です。間違いありません!」みたいな人が多いですよね。私も正直、高校の時とか何言ってるかわらかなかったし。「仮定法未来」とか「仮定法過去」とか。「いや、今を生きようよ」って思ってましたし。
仮定法は変な公式に当てはめるから余計わからなくなる。
でも実は、もっと、感覚的に捉えれば実は大して難しくない、というか自分が英語を話す上でも凄く便利な代物です。
What if one day I end up writing a script or a book of poetry or something? That would be so amazing. I would love to see that happen.
小さい頃から本が大好きだったTaylor Swiftの話から、「作家になろうと思った事はありますか?」という質問に対して、今は音楽だけだけれども、今後、他の表現方法にも挑戦したい的な気持ちからのセリフ。
“もし、いつか脚本を書いたり、詩集とかを書くようになったら、どうだろう?凄く素敵な事ね。実現すると嬉しいわ。”
という意味。
学校では、仮定法を
“If + 主語 + 動詞の過去形・・・, 主語 + would(should、could、mightなど)+ 動詞の原形”は仮定法過去といって、現在の事実に反する事を言う時の形。
などと教わったんじゃないでしょうか?
なんかもう、現在の事に反するのに「仮定法過去」とか言うもんだから、過去なのか現在なのかもうよく分からん!って事になり生徒は集団パニックを起こす訳です。
上のTaylor Swiftのセリフではwhat ifから始まってますが、what if は「もし〜だったらどうだろう」って事です。
ちょっと変化球ですが、if節である事に変わりはありません。
if節の時制は「あり得ない?アリエールでしょ」って事
耳にした事あるかも知れませんが、仮定法では「あり得ない事」を仮定する場合には動詞が過去形になる。つまり、可能性として「あり得ない事もない」よーな時は現在形にする。ってなルールがあります。
I wish I were a bird.
もし私が鳥だったら、、、
まず、今後アナタが鳥になってしまうワケではないので、ここではamじゃなくてwereですよ、と。まあ、鳥になっちゃうケースももしかしたらこの先、科学の進歩によってはあるかも知れないけど。とりあえず今の時点ではありえない。
1.If he is rich, he won’t live in such area.
2.If he was rich, he wouldn’t live in such area.
1は、もしかしたら彼は実は金持ちで、ただ何かしら理由があってそんな場所に住んでる、、、という可能性が無くもない、というレベル。
2は、「彼が金持ちなハズがない」という意識があります。
つまりは、ネイティブにとって時制を過去にずらすっていうのは「可能性」からの距離を遠ざけるワケですよ。時間的に遠いという事は可能性も遠ざかる、という意識が働いているワケです。さらに、「あり得るかどうか?」はあくまで話し手の主観であって、客観的なものではないんですよ。上の例文だって、he wasなのかhe isなのか、なんて話し手の主観でしかないですよね。
What if one day I end up writing a script or a book of poetry or something?
それを踏まえて、Taylorのセリフを見て見ると、現在形(end)ですね。
だから、脚本なのか詩集なのかまあ、分からないけど、何かしらやりたいと思ってるし、本当に実現する可能性はある、っていう意味合いですよね。
WillとWouldも違う
if節の後には、”主語 + would(should、could、mightなど)+ 動詞の原形”と続くケースが多いですね。
ただ、ここも同じでwillではなくwouldにするには理由があります。
これもやはり、可能性からの距離の問題です。
可能性が高いと感じていればwillになるし、可能性が低い、もしくは全く無いと感じているならwouldとなります。
すると、今回のTaylorのセリフは
That would be so amazing. I would love to see that happen.
となってますね。
あれ?って感じました?
そうなんですよ。
前半は What if one day I end up writing a script or a book of poetry or something?なので、可能性を感じているワケですが、後半はwouldになっている。
どういう事?
ってゆーか
どゆ事?
って話ですが、つまりは話し手の感覚です。
前半の「脚本書くとか詩集書くとか、何かしらやりたい」っていう意志はあるワケです。これは現実になる可能性がある。だから現在形で言ってる。
だけど、「可能性がある」という事と、本当にやるかどうかはまた別問題で、そうなる可能性はまだよく分からない。だから、「まあ、もしそうなったとしたら、素敵ね。嬉しいわ」というニュアンスになる。そもそも本当にやるかどうかも分からないのでwouldという、一歩引いた、というか可能性として今の時点では低い感覚になっていると。
こんな感じでちょっと時制が違うだけで、そこに込められたニュアンスだったり、そこに働く感覚は結構違うもんです。それでもって、この感覚というのは日常会話でも結構大切だったりします。
例えば内定は貰ったものの、転職しようかどうか悩んでいる友達に対して、
“I’d try it.”
俺ならやってみるね。
と言いたいところを、
“I’ll try it.”
だと、「代わりに俺がやってみるわ」みたいな事になっちゃう。
仮定法は公式通りの形でしか使われないと思われていますが、実はこういう風に日常会話にかなり密着している大事な存在。だからこそ、実際の会話の中でどう使われているかを抑えると、今度はアナタの英語もよりニュアンスや感覚の面で英語らしいものになっていきます。
ちなみにEJは頑張りすぎず、気楽に
余談ですが、English Journalはリスニングにも音読にも語彙の強化にも効く優れものですが、必ずしも全部やる必要はないと思います。せっかく買ったのだから、と意地でも全部やろうとすると結構時間がかかります。生の英語なので読みこなすにも実は結構英語力が必要なんです。結局は「ただの雑誌」なので、自分の好きなアーティストだとか俳優のインタビューが載ってる時だけ買って、そこだけやる。後は流し読みくらいの気持ちでやった方がいいかもしれません。
ファッション雑誌だって、隅から隅まで読まないじゃないですか。
目に留まったところだけジックリ読んであとはパラパラって感じじゃにないですか?
それは英語学習雑誌でも同じでいいと思います。TOEICの参考書などは余すところなく吸収できるように努力する事が大切ですが、雑誌ですから、読みたい時に読みたいとこだけやればいいんです。毎月全部やってればそれはそれでかなり力がつく雑誌ではありますが、それよりも興味があるアーティストや俳優のインタビューを使う事で学習モチベーションを刺激する事の方が役割としては大切。根詰めてやった結果、「楽しくない」ものになってしまうのは本末転倒ですから。
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