まさかの入国拒否!? 〜 英語が苦手な人がアメリカ出張の入国審査で事前に気をつけておくべき事

先日の出張での出来事。

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成田から飛び、13時間かけてデトロイトの空港に着き、同じデルタ便に乗っていた中国人観光客の集団の脇をすり抜け足早に入国審査へ。
アメリカのイミグレはとにかく時間がかる。
どんなに長い行列ができていても、日本のコンビニの「こちらのレジどうぞ!」的な感じで窓口を増やす事は無いし、職員はダラダラ談笑していたり、いきなり席を外して窓口が減ったり。
さらに、質問が細かいので1人1人に割く時間が長い。

POE

 

なので、私はアメリカに行く時は飛行機を降りたらとりあえずダッシュする(笑)
観光客の集団より後に並ぶか前に並ぶかで20分くらは時間が変わってきてしまうので。

 

しかも、今回は空港到着が昼の2時で、その後3時から客先アポがあり、自社の現地スタッフがすでに迎えに来てくれていたので急いでいた。
でもまあ、なんだかんだ30分近く待たされてようやく

 

“Next!” の声。

 

審査官(オフィサー)のところにいくと、やたらマッチョだけど優しい瞳をしたクマのような男性オフィサー。
彼が片言の日本語を話すイイ人だった。

 

オフィサー ”コンニチワー!”

 

私 “こんにちわー”

 

オフィサー  “Where are you from? Tokyo?”(どこの出身?)

 

私 “No,I’m from Hokkaido.”(北海道です)

 

オフィサー ”Oh ! Hokkaido! イイトコロデスネ!”

 

私 ” Have you visited?” (行ったことあるの?)

 

オフィサー  “Yeah, I’m in skiing team and we visit Hokkaido every winter. マイトシ!”(スキーのチームに所属していて毎年行ってるよ)

 

私 “You visit there more frequently than me! lol 日本語上手いですね”(僕より北海道行ってるじゃん(笑))

 

オフィサー  “アリガトウゴザイマス! Okay, what do you visit the US for?” (Youは何しにアメリカへ?)

 

私” for business trip.”(出張)

 

オフィサー ” How long?”(どれくらいの期間?)

 

私” for two weeks.”(2週間)

 

オフィサー “Which hotel are you staying?” (どこのホテル泊まるの?)

 

私”◯◯hotel.”

 

オフィサー “Are you working for Toyota?”(トヨタで働いてるの?)
※トヨタの人がよく同じホテルを利用するみたい

 

私” No, I’m working for ◯◯.”

 

オフィサー ”Oh! ◯◯!” (うちの会社知ってたみたい)

 

オフィサー ” Will you stay only in Detroit?” (ずっとデトロイトにいるの?)

 

私 ” No, I’ll stay for a first week here in Detroit and will go down to Tennessee to spend another week and then go back to Japan.”(いや、最初の1週間だけ。その後はテネシーいって、買える)

 

オフィサー “Okay.”

 

無事、入国審査も終わったのでその場を去ろうとすると、突然、隣の窓口のオフィサーが私の入国審査をしたオフィサーに

 

“Is he speaking in English” (そいつ、英語で喋ってる?)

 

すると、クマ顔オフィサーが

 

“Half and half!.” (英語と日本語半分半分)

 

何の会話だろうと思っていると、クマ顔が私に

 

“Hey, can you help him for translation ? He doesn’t speak in English.”
(彼、英語話せないみたいだから通訳してくれる?)

 

と言って隣の窓口で入国審査を受けている日本人男性を指差した。

 

 

え!?通訳!? 俺が? オフィサーでもないのに?ってゆーか、急いでるんですけど、、、、。

 

 

と思いつつも、その日本人の方も困っているようで、、、うーーーん、、、、仕方ない。
とゆーことで、通訳することに。

 

で、隣の列の窓口に行ってオフィサーに話を聞くと、

 

・彼(日本人男性)の職業が分からない
・会社から我々(税関職員)宛にレターが発行されているけど、期限が過ぎてる
・レターによれば、出張で2014年の4月〜7月の3ヶ月間滞在となっているけど、今はもう9月。なんでまたアメリカに来たのかを知りたい
・保険も切れてる

との事。
レターってのは会社が従業員がスムーズに入国できるように、空港のオフィサー宛に「◯◯の目的で◯◯の期間、うちの従業員の◯◯さんを出張で米国に滞在させますんで( `・∀・´)ノヨロシク」という旨と連絡先とか滞在先なんかを書いて持たせたもの。多分、「空港で何か聞かれたらコレ見せればOKだから」って感じで持たされたんだと思う。

 

要するに、その日本人男性Aさんは4月〜7月にも滞在していた経緯があって、その時は会社が発行したレターを持って入国した。
で、日本に帰ったんだけど、また同じレターを持ってアメリカに来たけど、そのレターには「4月〜7月に滞在させます」としか書いていない。
しかも保険も切れている。

 

なので、

 

税関職員からすると、ワケが分からない。
渡された手紙に4月〜7月って書いてあるし、現にこの日本人は4月〜7月にアメリカに滞在していた。
なのに、また戻ってきて、また同じレターを見せてくる。

 

つまり、

 

オフィサーとしてみれば、そんな意味不明なヤツを黙って入国させるワケにはいかないので、滞在目的、期間、勤務先、職業内容などを細かくチェックしないといけない。

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で、Aさんに話を聞いてみた。

 

私「どちらでお勤めなんですか?」

 

Aさん「◯◯です」
※超大手のアメリカ自動車メーカー(の日本拠点)。ちなみにその瞬間、「え、、、そんな超有名な外資で働いてるのに英語話せないのかよ」と思ってしまった、、、。

 

私「アメリカに来た理由は何ですか?4月〜7月にも来てたみたいですけど」

 

Aさん「その時の仕事が終わりきらなくて、再度、出張になったので」

 

私「仕事内容は何ですか?」

 

Aさん「え〜、、、、と、、、設備とか」

 

オイオイオイ、なんで自分の仕事内容の説明が曖昧なんだよ、、、しかも「設備とか」って意味わかんねーよ、、、。

 

私「設備ってどういう意味ですか?自動車製造のライン設備?生産管理の人ですか?」

 

Aさん「いや、、、なんてゆーか、、、メカニック、、、みたいな」

 

オイオイオイ、なんだよメカニックって。曖昧すぎるだろ。
空気を察したオフィサーの目がだんだん厳しい目つきに。

 

私「メカニック、、、?自動車のメカニック?設備のメカニック?」

 

Aさん「え〜と、、、」

 

時間が無かった私はこのあたりでイライラし始めて、「あの、ご自身の仕事内容ですから、もうちょっと明確にお願いできますか?通訳できないんで。きちんと説明できないと入国できませんよ?」とつい強い口調で言ってしまった。

 

Aさん「え、それは困ります」

 

知らねーよ!!!!(笑)

 

いっそ、オフィサーに「質問にきちんと答えてくれません。職業を聞いても意味が分かりません」と言ってしまおうかと思った。
でも、そうなればAさんは確実に取り調べ室に連れていかれて、英語で質問攻めになっちゃうし、、、最悪、入国拒否なんてなったら会社にブチ切れられるだろうな、、、と思った私。

 

なので、色々と細かく質問をした。
要するに、新しい製造ライン設備の立ち上げで前回アメリカにきたけど、上手く稼働しないから再度日本から派遣された、って感じらしい。

 

しかも、今回も会社にレターを持たされたけど、何故か日本語だったらしい。

 

アホか! GM!

 

あ、会社名言っちゃった。

 

なんで、米国オフィサー向けのレターを日本語で書いてるんだよ。
しかもアメリカの会社なのに。

 

Aさんの職業内容と滞在目的、レターが日本語しかない事をオフィサーに伝えると、「じゃあ、今回のレターと前回のレターは内容は一緒か?」と聞かれた。
ザーーッと呼んだ限り、期限のところが4月〜7月だったのを9月〜11月に変わった以外は変更が無さそうだったので、「期間のところしか変わってないと思う」と言った。
色々とチクチク聞かれたけど、オフィサーも渋々入国を許可。

 

とりあえず、私はBaggage Claimへダッシュ!
荷物をとってさらにダッシュして出口へ。

 

そして、迎えにきてた現地拠点の人から「遅せーよ」と怒られた。
事情を車の中で話すと、「はぁ?そんなヤツ助ける必要ないよ。英語も話せないなら来るべきじゃない」とバッサリ。
その人は韓国系の移民なんだけどね。

 

確かに、例え期間限定でもアメリカで働くのに英語が話せないってなると大抵のアメリカ人や現地で働いている外国人は「は?寝言は寝てから言え」ってゆー風潮がある。

 

まあ、技術系の職種の人だから英語苦手ってのも分かるけど、外資で働いているならもう少し話せてもいいと思う。
とはいっても、現地側にも日本人がいる会社の場合、英語が話せなくても出張に飛ばしたりするんだよね。。。

 

 

まあ、そんな珍事件があったんだけど、もしもあなたが英語が苦手だけどアメリカへ出張に行く日が来るのなら、入国審査は甘く見ない方がいい。
9・11以降、メチャクチャ厳しい(って9・11の前にアメリカ行った事はないけど、、、)。他の国と違って、英語でちゃんと受け答えができないと根掘り葉掘り聞かれて、余計ドツボにはまる。
1週間程度の出張ならそんなにツッコまれないけど、期間ギリギリの3ヶ月となってくると、質問が多くなる。

 

怪しいと判断されると即効で取り調べ室に連れていかれる。

 

挙げ句、入国拒否されたら日本に帰るしかないしね、、、。

 

もし3ヶ月とか滞在する予定があって、英語がからっきしダメな人は、会社にレターを書いて貰う方が安心。
実際、Aさんも前回の4月の時は問題なく入国できてるしね。

 

あと、滞在先、訪問先、宿泊先なんかを書いた日程表は日本語だけじゃなくて、英語のものも持って行く。
そういった事前準備をしておけばスムーズに通れると思う。

 

出張の場合、問題になるのは「どこに勤めているのか」「何の会社か」「滞在期間はどれくらいか」「目的は何か」「帰りのチケットは手配済みか」といった事がポイントになってくるから、
そこの情報をA41枚に英語でまとめたものに自分の名刺をホチキスでとめておくと、Aさんのような面倒に巻き込まれにくくなる。

 

英語に自信が無い人ほど出発前の準備は大事。

 

それにしても、入国審査官の通訳やるなんて貴重な体験でした。
だってさ、私が「目的がはっきりしません。レターも内容がおかしいです」って言ってたら、完全にアウトなワケだし、逆に、本当は怪しいのに「OKです」って言ってしまったら入国できちゃう状況だったワケだし。
要するに審査官でも空港職員でもない私の言葉一つで人の入国可否が決まっちゃうって事だよね(笑)
なんか、そんなんでいいのかよって感じ(笑)

 

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