
30代こだわり財布選び 〜 エルメスのバーキンと同じ革から作られた財布
今週、財布を買い替えた。
・3年弱使っていたWhite House Coxの財布の小銭入れの部分が破れてしまった事。
・そして、「エイジング」と言えば聞こえはいいけど、どうみても汚くなってきた事。
そんな事で、思い切って買い替えをする事に。
財布選びって時間がかかるよね。
自分のこだわりや好みは勿論、仕事でのTPO的な事も考えないといけない。
色々と調べれば調べる程どれがいいのか分からなくなったりする。
なので、参考までに今回候補に挙げたものを紹介したい。
3つのカテゴリー
私のような30代前半の男性が財布を選ぶ場合、大きく分けて3つのカテゴリーから選ぶ事になるのかな、と。
1.スーパーブランド系
エルメス、ルイ・ヴィトン、グッチ、ブルガリ、ボッテガなどなど。
誰もが知ってるいわゆる「スーパーブランド」ってやつ。
ここらのブランドの財布を持っていると「間違いない」という安心感はあるけど、
没個性的だったり、ブランドを前面に押し出し過ぎたデザインは「ヤラしい」「ダサい」といったネガティブな見方をされる事もある。
ただ、それはドン・◯ホーテとかで売ってるような「ヴィトンです!」「ブルガリです!」「グッチです!」みたいなロゴだらけのモデルのイメージが先行してるせいじゃないかな、と思う。
2. こだわりの革財布系
やっぱり、男は革財布。
持っていてスマートで、スーパーブランドのような嫌みな感じが無い。
ブライドル(牛)、コードバン(馬)といった革で作られたものが多い。
ここ数年はWHCの流行もあったりして、百貨店でも一番数が多く並んでいるカテゴリー。
GANZO、WILD SWANS,キプリス、エッティンガー、グレンロイヤル、WHC、万双、土屋鞄、ソメスサドルなどが有名で、主に英国勢か日本勢ブランドとなる。最近は外側と内側でバイカラーになっているオシャレなものも増えてきた。
スーツでも私服でも合わせ易く、長く使えるカテゴリー。
ただし、デザインの他に「縫製のキレイさ」「革の品質」が選択基準になるので少し勉強が必要。
価格は2万円くらいから手に入るえど、かなりピンきり。
3. 高級革デザイナーズ系
なんとも定義しにくいジャンルなんだけど、1と2の中間って感じ。
高級で厳選された革を使ったメゾン系ブランドで、スーパーブランドほど知名度は無いもの。
例えばカミーユ・フォルネ、ベルルッティ、ヴァレクストラ、ラルコバレーノ、メゾン・タクヤあたり。
良い革を使いながらも、洗練されたデザインを同居させているのが特徴。
スーパーブランドかそれ以上の価格帯になる。
以上、3つのブランドにざっくりと分けてみた。
財布選びは迷い出すとキリがないので、まずはアナタにはどのカテゴリーが良さそうかな?と考えてみると選び易くなる。
それぞれのカテゴリーについて今回私が候補に入れたものを紹介してみるので、ご参考になれば。
一応、前提条件としては;
・予算は7万円くらいまで
・長財布(小銭入れ付)
・革財布である事
という感じ。
1.スーパーブランド系
スーパーブランドの財布は「ダサい」イメージが持たれる場合がある。
それは前述の通り、ドン◯ホーテにあるような、いわゆる”コテコテ”なものが多く出回っているから。
日本を含むアジアの国では、「ブランド物持ってます!」とすぐ分かるようなデザインばかり売れる。
でもね、やっぱり高いだけはあったりする。
ドン◯ホーテではなく、正規店に行ってみる事をオススメする。
コテコテなデザインは意外と少なくて、洗練されたデザインが多い。
スーパーブランドはブランド名を押し出すというよりも、使う革の質感や、他には無いカラーリングで勝負している。
そういう本当に洗練されたモデルは正規店でしか取り扱ってない。
PRADA



出展:PRADA
最近、会社の人でプラダの財布買った人がいたんだけど、ヴィトンなんかと比べると落ち着いていて「ブランドです!」って感じが少ない。
革質もよくて、デザインに無駄が無くて凄く綺麗。
実物も見に行ったけど、凄くシンプルで洗練されてるので、スーツで仕事する人にはオススメ。
ただ、エイジングを楽しむような財布ではないので、こまめに手入れが必要だね。
長財布で予算は7万円くらい。
TOD’S


出展:TOD’S
TOD’Sは真ん中のラインがアイコン。
アイコンがロゴではないのが、シックで格好いい。
カバンや靴がメインのブランドなので使っている革質はやはりいいし、色気がある。
予算は7万円くらいかな。
というワケでスーパーブランド部門からはPRADAとTOD’Sを候補に。
GUCCIはせっかくいい革使ってるのにデザインが迷走しててよく分からない。
ヴィトンはエピだろうがダミエだろうが、既に認知度が高過ぎて「コテコテ」から脱却できない。
エルメスはひたすらに高いし、予算オーバー。
スーパーブランド財布は質もいいし、デザインも洗練されている。
そして、コテコテなものを除けば「ちゃんとしたモノを使っている」というイメージに繋がるので、ビジネスマン向き。
ただし、スーパーブランド財布は経年変化とは相性が悪い。それは「味がある」とは捉えられなくて、ただ「ボロい」と思われる事が殆ど。
そういう意味では「一生モノ」として使う事はなかなか難しい。
こだわり革財布系
このカテゴリーは本当に議論が尽きる事が無いというか。
革好きが「◯◯の縫製技術はダメ」「◯◯が革を仕入れているタンナーは△△だから品質がいい」といった意見をネット上でもよく交わしている。
このカテゴリーで注意するべきは、決して「女子ウケ」を期待してはいけないという事(笑)
パッと見どこも一緒だし、ハンズとかで売ってる名もなきブランドの革財布と見た目変わらないからね。
今回、財布吟味ツアーに妻も一緒についてきたんだけど、このカテゴリーの財布に対しては「どれも同じじゃないの?」って感じだった。
要するに、男のロマン的なものが強いジャンルなんですな。
そんな中で私が候補に上げたのは
GANZO


出展:GANZO
このジャンルは日本ブランドが強い。
革は海外から仕入れている場合が多いけど、縫製技術に関しては世界トップクラスの日本の職人さん。
GANZOはその典型的なブランドの1つ。
価格は革によってピンキリだけども、SHELL CODVANシリーズは10万円コースなので、予算オーバー。
予算的に今回はTHIN BRIDLEシリーズ(上写真)を候補に。
外側のブライドルレザーの深みと光沢が増して、内側のヌメ革が琥珀色に深まっていく経年変化はやっぱり憧れる。
Warm Crafts Manufacture

出展:Warm Crafts Manufacture
WCMは新喜皮革っていう日本のタンナー(「皮」をなめして製品に使える「革」にするところ)が自身で運営しているブランド。コードバン(馬のお尻の革)を得意としていて、職人技が光る至高の逸品達。
美しい。
惚れ惚れします。
他の革系ブランドもコードバンは色々と出してるけど、ことコードバンに関してはWCMに何かこう神々しいものを感じずにはいられなかった。。。
コードバンの財布を買うなら間違いなくWCMをオススメしたい。
こだわり革財布系の留意点
一般的にこの手の財布で使われる革はブライドルレザーかコードバンが多い。
ざっくり言うとブライドルの方が堅牢で水にも強く、コードバンの方が上品で水に弱い。
手入れを怠らずエイジング(経年変化)を楽しみながら自分だけの財布に育てていきたい人にはこのカテゴリーがぴったりだと思う。
ただし、カードやらレシートやらモコモコと入れると、とても「味」とは呼べないような「みすぼらしい」感じに経年変化するのでご注意を。
あと、この手の財布の最大の敵は「飽き」。
私も前にWHCの財布と名刺入れを買って、毎日フキフキして経年変化を促進させてたりしたけど、、、飽きるのよ。
使おうと思えば10年だって使えるんだろうけど、飽きる。
“良いモノを長く、経年変化を楽しみながら所有するのが大人のスタイルだ”、みたいな言説をファッション雑誌とか百貨店の店員が広めたワケだけど、
10年も使う人って実際はあまりいない。その証拠にジーンズで言う「ダメージ加工」みたいな、あらかじめ「イイ感じ」にエイジングさせたものをWHCなんかは販売しちゃってる始末だし。
だから、
本気でロマンを持って「本当に良い財布を育てていく」という考えを持って財布を買うなら何年間使うのかも考えてからの方がいい。
本当に10年使うなら、GANZOのSHELL CODVANに10万円出したって決して高い買物じゃないと思うし。
結局2年とかで買い替えるなら2万円でそこそこの財布を買うか、スーパーブランドでいいと思う。
流行にのって買っても長くは続かないので、本当に愛着を持って使っていけるかをよーく考えた上でご決断を。
高級革デザイナーズ系
そもそもこのカテゴリーのネーミングが正しいのかも不明なんだけど、徐々に人気が広まってきてるジャンル。
高級な革を使い、そこに洗練されたデザインを同居させているブランド達。
主にヨーロッパ勢が強いジャンルで、使われる革は柔らかいカーフ(子牛)が多く、しっとりと手に吸い付くようなものが多い。
コードバンやブライドルのような固い革はあまり使われない。
知名度はスーパーブランドよりも劣るけど、その分こだわりが感じられる。
価格面では、スーパーブランドと同じかそれ以上。
Valextra




出展:Valextra
最近日本でも人気が広まってきている。
“イタリアのエルメス”、と呼ばれるほど美しく洗練されていて、革質が良い。
ホント、ずっと触っていたいくらいしなやかで吸い付くような手触り。
特徴的なのはその革の品質とデザイン。
カードポケットのV字の切れ込みや、コバ(縁の仕上げ)がアイコン。
私は昨年ヴァレクストラの名刺入れを購入したので、財布も合わせようかと検討。
銀座三越の店員曰く一番売れているのはラウンドジップらしい。
ただ、ラウンドジップはデカ過ぎる。
手ぶらでコレにiphone入れて歩く人もいるそうな。
なんか電子辞書のカバーみたいであまり好きにはなれず。。。
で、長財布はというと、、、、
カッコいいけど高い。
11万円くらいで、予算オーバーです。
妻の決済が降りないので、今回は断念。
まあ、高いと感じるという事は自分がその財布を持つレベルに到達していない、という事ですよ。
精進あるのみです。
ちなみに、同じデザインでも10色以上あるので、自分の好きな色を選ぶのがヴァレクストラの楽しいところ。
私は名刺入れ1つに1時間以上悩んだよ(笑)
落ち着いた色にするのか、あえて派手なのを選ぶか、その辺は個性の出しどころ。
L’arcobaleno


同じくイタリアのブランド。
あれ、、、似てますね。Valextraに。
いや、もうコレはパクってると言われてもおかしくないレベルだと思うよ。
歴史的にもValextraの方が圧倒的に古い訳だし。
決して革の品質が悪いワケじゃない。
Valextraよりも価格帯がかなり安い(長財布で4万円くらい)ので、コスパは高い。
Valextraよりも手を出し易いからか、セレクトショップ(BEAMS, EDIFICE,バーニーズ etc)でよく見かける。
個人的にはコレ買うなら、もっと頑張ってValextra買いたい、、、かなって思うところもあり、候補には入れたけど却下。
MAISON TAKUYA


出展:MAISON TAKUYA
メゾン・タクヤ。
ちょっ、、、ちょ待てよ!
のタクヤです。
タクヤ、と名がついてるけどフランスのブランド。
デザイナーのフランソワルッソが日本に影響を受けていて、日本語をブランド名に入れたかった事からこのブランド名になった。
デザイン的にはかなり洗練されていて、人気急上昇中。
さらに、革はエルメスのバーキンと同じものを採用している。
ブランドとして「完璧な革製品の追求」と「完全なハンドメイド」を哲学としていて、全て手縫い。
実際に手に取ってみると凄くしなやかで吸い付くような手触り。
結局、色々見てまわった挙げ句、今回私はメゾンタクヤに決めた。
ちょうど阪急で、パターン・オーダー会をやっていて、既製品の20%増しなら自分の好きな色を組み合わせる事ができるって話だったけど、
3ヶ月はかかるらしいし、既製品もそれはそれでデザイナーが考えた配色なワケだから当然格好いい。
というワケで、今回はTT2シリーズ(既製品)に決めた。




まとめ
いくつか紹介してみたけど、いかがでしたでしょうか?
色々と検討してみて思ったのは財布選びというのは
・ブランドネーム
・デザイン
・品質
の3つのバランスをどう考えるか、という事に尽きる。
このバランスは人それぞれ。
年齢相応のブランド品を持つ事で、「ちゃんとしたものを持つ」と考える人もいるし、「なんでブランド品の財布なんて持つの?」と考える人もいる。
それは「良い悪い」ではなく、個人の価値観の問題だけど、それぞれにこだわりを持って財布を選ぶのは楽しいハズ。
又、こうやって財布をじっくり選んでいると、日本製品の色々な側面が見えて来るね。
これは財布に限った話ではなくて、車や時計なんかにも言えるんだけど、日本製というのは好くも悪くも無駄がない。
技術や、品質といった部分では明らかに世界トップクラス。
だけど、その技術と人を惹き付けるデザインを結びつけるのが少し下手。日本ではどこか、”無駄の無いデザイン”が”本当にイイモノ”と見なされる風潮が強い。「硬派」「渋い」「本物」「ツウ」みたいな見方をされる。
そんな視点で今回紹介した財布を見てみると、GANZOやWCMなんかは品質は最高にいい反面、デザイン面での遊び心というのは無いよね。
なんてゆーか、「頑固で愚直な職人」って感じ。
一方で、ValextraやMaison Takuyaは高品質を維持しながら、デザインに遊びを持たせてる。
ValextraのポケットのVカットとか別に機能的にはいらないもの。
でも、だからこそ格好いい。この辺の感性はヨーロッパの国々はやっぱ凄い。
・スーパーブランド(正規店のもの)でラグジュアリーな感じを出す
・愚直でどこか不器用な職人の手作り財布に、男のロマンを感じる
・高級革と遊びの効いたデザインでさりげないコダワリとセンスを光らせる
財布はその人の価値観をよく表す。アナタはどれが合ってるかな?
是非、最高の財布を選んで欲しい。
今後きそうな予感のするジャポネ・ブランド
今後人気が出て来そうなブランドを1つ紹介しておきたい。
二宮五郎商店って知ってるかな?
墨田区のレザーブランドなんだけど。
たまに雑誌で革製品特集やってる時に登場したりしてる。
ハンドメイドであまり流通してないんだけど、これこそ「職人の財布!」って感じでチョー渋い。



ホーウィン社っていうアメリカ・シカゴのタンナーがあって、GANZOとかでも使ってるSHELL CODVANっていう革はホーウィン社にしか作れない最高級品とされているんだけど、それを惜しげも無く使って、最高の縫製技術でもって仕上げた財布はカッコ良過ぎる。
東京の阪急メンズでも少量ながら取り扱っていたよ(スタンダードな形の財布が品切れだったので断念)。
もう百貨店のバイヤーは目をつけているって事だね。
あまり出回っていないけど、ココで少し取り扱っているので興味があれば候補に入れてみては?
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30代こだわり財布選び 〜 エルメスのバーキンと同じ革から作られた財布 was last modified: 7月 12th, 2015 by