30代からの独学英語 〜 学生の頃ワケわかんなかった「時制」をスッキリ克服する秘訣パート3

前回、前々回と英語の時制についてお話をしてきました。
学生の時に勉強した「現在形」と「進行形」の解釈の仕方はとても的外れという事。
そして、よりネイティブに近い感覚でスッキリ理解する方法について理解頂けたかと思います。

 

これらの時制は基本中の基本ですので、まだチェックされていない方は是非
↓ ↓ ↓ ↓

30代からの独学英語 〜 学生の頃ワケわかんなかった「時制」をスッキリ克服する秘訣パート1

 

30代からの独学英語 〜 学生の頃ワケわかんなかった「時制」をスッキリ克服する秘訣パート2

 

では、3回目となる今回は、、、、。
我らジャポネーゼの宿敵であり、最強の時空モンスターである、、、

 

 

現在完了形

 

 

「出たよ、、、マジ最低。過去形と何が違うかワケわかんねーし。蘇るわー。あの頃の記憶蘇るわー」

 

 

そんな苦手意識を持つ方も多いこの時制。

 

 

実は私も学生の頃は凄く苦手、、、というか全く理解できなくて、現在完了がに突入してから仮定法が終わるあたりまで英語の授業中は耳と心を閉ざしていました。

 

I thought what I’d do was, I’d pretend I was one of those deaf-mutes.
僕は耳と目を閉じ、口を噤んだ人間になろうって思ったんだ

(quoted from :The Catcher in the Rye ( J.D. Salinger) 邦題「ライ麦畑でつかまえて」)

 

 

的な。

 

 

しかも、英文科に入学してからもしばらく解釈が怪しかった。
つまり、社会人になって英語をやり直そうとしているあなたが現在完了が訳わかんなくても全然OKという事ですから、心配しないで下さい。

 

 

例えば

 

 

Her colleague (    ) his car stolen last week.

1. was       2. had       3. has been       4. has had

 

ん、、、?盗まれただから、、、受け身で、、、be動詞、、、?
いや、、、過去の話だから過去形、、、? え、4番とかhave並んでるけど、、、現在完了ってやつか?なんか正解っぽい、、、でも、3もそれっぽい。じゃあ、3で!

 

正解:2

 

 

チーーーン。

 

 

そんな経験ある人も多いのではないでしょうか。

 

 

でも、ご安心を。
理屈を理解してしまえば、現在完了は恐れる必要はありません。

 

 

では、早速。

 

 

 

目次

1.  そもそも、なぜ現在完了が理解しにくいのか

 

 

単刀直入に言うと、そもそも日本語を母国語としている私達には「現在完了」なんていう時間軸はないから、理解できない。

 

脳に備わってないんですよ。

 

例えば、

 

Chris moved to Sapporo.

 

であろうと、

 

Chris has moved to Sapporo.

 

であろうと、日本語にしてしまえば「クリスは札幌に引っ越した」という日本語にしかならない。
この文章の日本語訳は「過去形」でしか表現されないし、日本語ではそれが正解なんですね。

 

Yuji has collected stamps.

Yuji collects stamps.

 

これはどちらも「ユージは切手を集めている」という日本語訳にしかならないですよね。

 

 

つまり、

 

 

「過去形だか現在形だかよく分からない現在完了っていうのは日本語には存在しない」という事。

 

 

言い換えれば、日本語という言葉は「過去〜現在の間」みたいな中途半端な時間軸については「現在形」か「過去形」だけ使って処理できる便利なものなのです。凄く柔軟な言語なんですね、日本語は。

 

 

 

2. 教科書に出てくるゴミみたいな説明

 

学生の頃、英語の先生はこんな風に教えませんでしたか?

 

「現在完了形とは、現在を基点にして、それまでの完了・結果・経験・継続を表す」

 

これ、意味分かります?
私ははっきり言って、意味不明です。

 

何回も読んで何回も考えたけど、こんな説明ワケわかりません。
正直、、、こんな説明をしている英語教師が現在完了を感覚としてきちんと理解し、実際に自分が英語を話す時に使えているとは思えません。

 

そもそも、完了と結果と経験と継続って具体的にどう使い分ければいいのでしょう。

 

ある事象が完了した時、そこには結果があるし、その過程での経験もあるし、その過程の間には継続もあった訳です。

 

Erika has loved Kenji for more than 10 years.
エリカはかれこれ10年以上ケンジの事を愛してる。

 

これって、継続?完了?経験?結果?

 

答えがありません。
だって、これって10数年という期間は現時点で完了していますし、10数年という膨大な時間が費やされた結果が今であって、エリカにとっては10数年の片思いという大恋愛の経験であり、10数年間の片思いは継続されてきている訳ですよね。

 

悪質なテキストや英語教師はこれを杓子定規に「10年以上の継続を表しているから現在完了です」と言います。しかし、「じゃあ、なんで継続なの?なんで経験じゃないの?」という疑問を解消してくれる事はありません。

 

ここで重要な点は、「完了、結果、継続、経験」という区別や解釈はまるで機能しておらず、あなたを現在完了の理解から遠ざけて混乱させるものでしかない、という事。

 

 

現在完了というのは、継続だろうが海賊だろうが、完了だろうがお父さんが官僚がろうが、どうでもいいんです。だって、同じような事を言ってるだけだから。

 

 

 

3. では、現在完了の正体とは何なのか?

 

 

継続だとか完了だとかいう話はどうでもいい、という事が分かりました。
では、現在完了の基本コンセプトは何なんでしょうか。

 

それはつまり、

 

「過去のある時から今も」

 

「今」に繋がっているという事が非常に重要です。

present perfect time arrow

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、そもそも僕なんかは、「現在完了」っていうネーミング自体に問題があると思うんですよね。
その名前のせいで、「あの過去なんだか今なんだかよく分からないやつ」みたいなボンヤリとした印象になってしまう。

 

 

現在完了は現在形の仲間だと覚えて下さい。

 

 

もう終わった話ではありません。
フォーカスはあくまで現在です。

 

 

 

4. 使い分けを身につける

 

 

コンセプトは分かっても、今一どう使い分けていいか分からないですよね。
特に過去形との区別がチンプンカンプンではないでしょうか。

 

いくつか例を挙げます。

 

Chris moved to Sapporo.
Chris has moved to Sapporo.

 

これは先にも話た通り、日本語にしてしまうと「クリスは札幌に引っ越した」としかなりません。
訳文だけ見ると同じですが、ニュアンスは全く違います。

 

Chris moved to Sapporo.
こちらの場合、過去に札幌に引っ越したというだけで、今現在どこに住んでいるかわ分かりません。

Chris has moved to Sapporo.
一方、こちらは「今も札幌に住んでいる」という意味になります。

 

Honda signed with AC Milan.
本田選手はACミランと契約した。

Honda has signed with AC Milan.
本田選手はACミランと契約している。

 

どちらもミランと契約した事実自体は変わりません。
ですが、話し手の意図が変わってきます。

話し手にとって「今も本田はミランで活躍している」という事がポイントなら現在完了だし、ただ単に「日本人があのACミランと契約した」という過去のビッグニュースがポイントなら過去形でいい。

 

「現在完了は今に繋がっている」という感覚が分かったかと思います。

 

 

では、最後にTOEICで役立つポイントを紹介しておきます。

 

1.時制を問う問題で選択肢に過去形と現在完了形の両方が入っている事は少ない

 

The biggest automotive company in the country  (         ) the contract of alliance with the second largest car manufacturer  in Russia.

1. is entered into
2.have entered into
3. entered into
4. will have entered into

訳:その国最大の自動車関連会社はロシアで2番目に大きな自動車メーカーと提携する契約をかわした

 

1は受け身なのでダメ。
4は未来完了ですが、「いつまでに」を示す文脈がないのでダメ。

 

では、2か3か。

 

実はこれ、どちらも正解。

 

もちろん意味合いは変わってきますが、過去形だろうと現在完了だろうと文法的には間違いではないので、出題者側からすると、このような問題は出せないんです。

 

そこで、出題者が行うのは

 

The biggest automotive company in the country  (         ) the contract of alliance with the second largest car manufacturer  in Russia 5 years ago.

 

 

とする。

 

どういう事かと言うと、”5 years ago”という「過去である事を具体的に表すフレーズ」をくっつける事で、正解を1つにしてしまう。

 

これは鉄板の出題パターンですが、現在完了は”◯◯years ago”とか”yesterday””last week”” in 1980″といった一発で「過去だ!」と分かるような言葉と併用できません。

 

このようなルールはよく出題されるので抑えておきましょう。

 

 

 

まとめ

 

このように現在完了は教科書ではとてもややこしく感じるものですが、その基本的なコンセプト自体はあまり複雑なものではありません。

 

現在完了の最も重要な点は「今に繋がっている」という事です。

 

過去形?現在完了形?と迷ったら、まずは「今もそうなのか?」と考えてみましょう。
今もそうなのであれば、現在完了がふさわしいと言えます。

 

では、次回は現在完了の進化版、現在完了進行形について話をしてみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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