大人の英語学習はなぜ失敗するのか? 〜 成功を”デザイン”する3つのステップ

 

“もはや英語は社会人の必須スキルだ”

 

そう言われ始めて久しい今日、サラリーマンにとって英語学習は避けては通れないものとなりつつある。
書店には数えきれない程の参考書が並び、どの駅にも必ず英会話スクールが並んでいる。
独学で使えるプログラムやオンライン英会話もかなり普及してきた。

 

にも関わらず、である。

 

英語ができる人はあまり多くないってのが事実。
あなたの周りに英語を習得した人が周りに一体何人いるだろう?

 

大手企業が先陣をきって採用条件における英語のハードルを上げたり、英語公用語化といった取り組みに踏み出したものの、
日本で生まれ日本で育ち日本で就職したサラリーマンにとっては英語習得への道のりは依然として険しい。

 

 

英語学習は本屋で参考書を買えば気軽に始められる。
しかし、簡単に始められるからこそ簡単にヤメてしまう。

 

なぜ続けられないのか?
なぜモノにならないのか?

 

その答えは「どの教材を使うか?」という問題よりも、より根本的な部分にある。
キーとなるのは、学習計画のデザインプロセス。

 

書店で参考書を買う前に今回紹介するプロセスを使って、あなたの学習計画をしっかり組み立てて欲しい。
どれも基本的な事だけど、実際は殆どの人はやっていないし、結果、挫折してお金と時間をムダにしている。

 

 

 

 01. 英語を習得したあなたは何をしているのか?

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まず、あなたはどうして英語を勉強しようと思ったのか?

 

– 海外とのやり取りが増え、電話にビクビクしてる

– 転職の為にTOEICスコアが必要

– 海外出張に行く機会が増えた

 

社会人の場合、英語学習を始めるきっかけはこのような外的要因によるものが多い。
要するに、”仕方なく”始めるパターン。

ただし、これはキッカケに過ぎない。
そして、残念ながらキッカケだけでは英語学習を始める事はできても継続する事は難しい。

 

僕らにはモチベーションが必要なのだ。
あなたは会社の為に英語を学習するワケでもないし、手に入れた英語力はあなたのモノでしかない。
仮に転職したって、英語力を今の会社に置いていく事なんてできないからね。

 

では、キッカケは色々とあるにしても、あなたは英語力を手に入れたらどうなりたいだろう?
言い換えると、英語ができるようになったあなたは何をしているだろうか?
想像してみて欲しい。

 

– 毎週、海外との電話会議やテレビ会議で積極的な発言をしている
– 月に1度は海外出張の為、国際線ターミナルをさっそうと歩いている
– 外資系企業に転職し、朝のオフィスでコーヒー片手に外国人の同僚と談笑している

 

あなたにも、何となく”英語ができちゃう自分像”があると思う。
まずは、それを徹底的に具体化する。

 

どういった場所に身を置いているのか?
どういった場面で英語を使っているか?
どういった服装をしているか?

 

細かいところまで具体化して紙に書いてみる。
これによってモチベーションは圧倒的に高まるし、次のプロセスに繋げる事ができる。

 

自己実現の思いがなく、”仕方なく”というスタンスで取り組むと語学は100%挫折するよ。
仕事で英語が必要になって勉強を始める場合、結局モノにできる人というのは”仕方なく”ではなく”自分の為”に切り替えができている人。

 

 

02. 実現には何が必要か?

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最初のステップで、”英語ができる自分像”が明確となった。

 

では、それを実現するには何の学習をすれば良いだろうか?

 

ステップ1が重要なワケはここにある。
大抵の人が「仕事で英語が必要だ」となった時に、何の勉強をするべきかについてモヤモヤとしたまま、何となく書店で参考書を手に取ってしまうからだ。
世間的にTOEICが重要と言われているから、という理由でTOEICの対策本を買ったり、大学受験の時に使ったようなモノを手にしてみたりする。

 

あなたにとって必要なのは何だろうか?

 

まず、転職で必要な場合は客観的に英語力を示す必要があるので間違いなくTOEICのスコアが重要となってくる。
昇進の要件としてTOEIC700点が提示されている、といった場合も同じ。
海外との電話会議やテレビ会議といった場合、特にTOEICのスコアは別に必要ない。
発音、基礎文法、音読のトレーニングを積むと同時に、業界や社内でよく使われる用語の英訳語を徹底的に覚える事が必要。

 

海外出張が増えたといっても、例えば、自分が直接英語で交渉をする必要はないけど、客先との食事の時や移動の時のちょっとした会話だったり、
空いた時間で観光や買物を一人で不安なくこなしたい、といったものであれば、英会話力が課題となる。

貿易事務や海外営業職で、貿易に使う英語を覚えるのであればTOEICは役に立たない。
貿易実務検定などが適切な目標設定。

 

英文メールを書かないといけないけど、ネットで単語を調べたり、文法が分からなくて1通送るのにとても時間がかかるのであれば、ライティングが必要となる
英検、あるいは日商ビジネス英語検定がいいだろう。

 

ちなみに、TOEFLやIELTSは主に海外の大学へ留学する際に必要なものなので、「仕事で英語が必要」という人はまず選択肢から除外するべき。
国内企業(外資の日本拠点含む)では、TOEICより難しい割に評価が低い。

このように英語と言っても切り口が色々とあるので、自分に必要なモノを見分ける事が必要。
ちなみに、僕の場合、新卒で入社した時のTOEICスコアは820点で、中小メーカーの海外営業部に配属になったんだけど、貿易で使う英語が全然ワケ分からなかったんだよね。
B/L? Invoice? S/I? ん?何ソレ? みたいな。
だから、貿易実務検定っていう資格を切り口にして勉強した。

 

なんとなく、”社会人+英語=TOEIC”っていう図式が一般的になっているけど、だからといって何も考えずにTOEICに手を出すのは危険。

 

03. 必要なツールは何か?

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目標に対して自分の切り口がきまったところで、いよいよ教材選びとなる。
ここまでのステップ1と2をすっとばして、いきなり教材選びから始めてしまう人が多いけど、それが失敗の原因。
何が目標かも分からいので、当然、何を買うべきかも分からない。

 

しかし、あなたはここまでのステップを踏んでいるので、ある程度絞られている。

 

TOEICであれば、受験経験がなければまず公式問題集がマストとなるし、英検という事であれば旺文社の教本になるだろう。
あなたのレベルと弱点に併せて選んでいけばいい。

 

ただ、教材選びに関しては1点、気をつけるべき事がある。

 

それは中学・高校用のテキストに手を出さない事。

 

社会人になってから英語を勉強し始める人は大抵、学生の事に英語が苦手だったケースが多い。
そのせいか、無意識のうちに「学校で習った英語からやり直さないと」と思ってしまう。

 

中学・高校英語をやってからでないとTOEICなんて歯が立たないと思っている。

 

だけど、これは大きな誤解。

 

TOEICの場合、使われている文法はとても基本的で、大学受験で問われるような複雑なものは登場しない。
学校英語と仕事で使う英語では、どちらが難しいかというよりも、”種類が違う”と考える方が現実的。

 

なので、TOEICが目標であれば、TOEIC対策用の教材を使う。
学生が使うものを決して使わないこと。
また挫折するだけだからね。

 

それでも、どーーーーしても不安、という場合は文法だけ復習しよう。
最近は、”中学英文法を修了するドリル”のような、基礎的な英文法を短期間で復習する為の大人向け教材があるのでそういったもので短期間で復習する。
決して、NextageやForestをガチでやろうとしない事。
99.99%挫折するよ。

 

学校英語というある種の後遺症が教材選びに強烈なバイアスをかけているせいで、多くの人が遠回りをさせられている。
遠回りですめばいいが、大抵の場合、その途中で挫折してしまう。

 

何故なら、高校で使うような文法テキストは説明がチョーー不親切で分かりにくいから。
解説に使われている言葉の意味さえ分からない、、、といった経験はないだろうか?
“時と条件を表す副詞節では現在時制、、、、、?へ?” みたいな。

 

学校英語に関して言えば、学生時代にできなかった事は気にしなくていい。
あなたが今、英語ができないのは

 

「あなたが学生時代に英語ができなかったから」

 

ではなく、

 

「あなたが学生時代に教わった英語教育がクソだったから」

 

と考えるべき。

 

高校進学率99%って事はほぼ全員が6年間英語を勉強しているって事。
なのにその6年間の学習で英語を話せるようになる人はいない。

 

だけど、社会人になって1〜2年勉強してペラペラになる人は沢山いる。
つまり、学校で教える英語なんてその程度、という事。

 

あなたには中間試験も期末試験もないし、誰も成績をつけたりしない。
学校英語に縛られるのはヤメよう。

 

 

まとめ

 

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英語ができる自分の姿を明確にする。
そこに到達する為の学習の切り口を決める。
それに必要な教材を選定する。

 

とても基本的な事だけど、やっていない人が殆ど。
だから、大学受験用の単語帳を使ってTOEIC対策してみたり、本当は必要ないのにTOEIC対策をしたり、必要のない分厚い文法参考書を買ったりする。

 

その結果、当然だけど挫折する。
そして「やはり、自分にはセンスがない」と落ち込む。
だけど、実際は切り口が間違っていたり使う教材が間違っている事がほとんど。

 

いきなり教材を選ぶのではなく、今回のプロセスを踏んで欲しい。
そうすれば、遠距離線で拳銃を持って挑んだり、接近戦でスナイパーライフルを振り回すような”ズレた”アプローチをしなくて済む。

 

 

 

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