30代の英語学習 〜 TOEIC単語帳を買う前に知っておきたい3つの新常識 〜

TOEICの受験を決めたらまず何を買うか。

 

問題集と単語帳。

 

 

という人が圧倒的に多い。

 

 

僕らは単語帳が好きだ。
単語帳を買うだけで英語ができるような気持ちにさえなる。
語学コーナーにTOEIC用の単語帳を置いていない本屋はない。

 

TOEICを将来の為に漫然と受ける場合はともかく、「会社に言われて、◯月までに◯◯点を取らないといけない」というような場合、教材選びには注意を向けるべき。自分に合った教材を選ばなければ、まるで点数が変わってしまう。

 

特に単語帳。

 

僕らは、大学受験英語の強いイメージから頭が離れず、「英語学習=単語の暗記がメイン」と思っている節がある。
大学受験はそれでどうにかなった。だからTOEICも同じ方法でイケるハズ。そう思っている。

 

でも、何も考えずに「まずは単語帳」と考えるのは危険。

 

 

昨今の仕事における英語への需要への増加を受けて、ここ数年だけで英語学習の常識は凄いスピードで変化している。
少なくとも、あなたが大学受験をした頃の英語学習法はすでにステレオタイプであり、もはや効率がいいとは言えない可能性が高い。

 

 

 

 

 

目次

1. そもそも、どうして僕らは単語帳を使うのか?

 

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先ほど書いた通り、僕らは勝手に「単語帳は必須」と信じ込んでいるところがある。
果たしてそうか。

 

単語帳を使わずにTOEICハイスコアを獲得する人も多い。

 

 

実は、最近の英語学習では「単語帳は使うな!」という意見がジワジワと広がってきている。

 

 

ただ、これを文字通りに鵜呑みにするのではなく、その背景を考える必要がある。

 

 

これは受験英語の弊害からきている。
先ほど述べた通り、僕らは受験生の時に単語帳を使っていた。
DUOだったり、ターゲットだったり、速読英単語だったり。
中には単語帳をまるで聖書のように肌身離さず持っていた人もいるだろう。
そして事実、それで何とか受験を乗り切ったのである。

 

でも、考えて欲しい。
それで英語を話せるようになっただろうか。

 

 

であれば、あなたは今この記事を読んでいないハズ。

 

 

TOEICにはリスニングがある。しかも試験の半分がリスニングだ。
そして何よりも、最終目標は仕事で使える英語を身につける事だ。

 

受験英語の方法で、TOEICのリスニングを克服できるのか。
仕事で英語を使えるようになるのか。

 

答えはNOである。

 

でも、未だに多くの人が英単語調にかじりついて丸暗記にトライしている。
そして挫折する。。

 

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だからいっそ、「英単語帳は使うな!」という極論をもってその悪習を正そうという意見が出てきている。
この考え方は一つの理論に裏打ちされている。

 

 

それは

 

人間の脳ってのは、言葉は文脈の中で覚えるようにできている

 

という考え方。

 

母国語か外国語かを問わず、まず大前提として、人が新しい単語なりフレーズを覚え易いのは間違いなく、会話や文章の中。
あるいは、知らない言葉を他人が使っているのを聞いて、「あ、そういう言い方をするもんなんだ」と印象づけられた時。

 

つまり、文脈やストーリーが存在し、実際に使われているのを聞いたり見たりした時である。

 

ただし、昔からある英単語帳には文脈やストーリーが存在しない。
英単語と意味、類義語、短い例文が添えられている程度だ。

 

amend : 修正する
類義語 : fix, change, modify

例文:We need to amend some clauses in the contract.
私達はその契約書についていくつかの条項を修正する必要がある

 

といった具合。

 

例文は一応あるが、断片的で前後の繋がりはない。
文脈がないので、記憶に定着しにくい。

 

さらに多くの単語帳は単語がズラーーーッと並んでいる。
これが記憶への定着をさらに妨げる。
どれも一緒に見えるのだ。。

 

だから「単語帳にかじりついて暗記は効率が悪い」という事になる。

 

 

 

2. そもそも単語帳の役割はなんなのか?

 

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単語帳というのは、簡単にいうと、英語の試験(受験、英検、TOEIC、etc)の目標に対して、過不足なく必要な語彙を集めたリストと言える。
英検2級を取るにはこれに載っているレベル、センター試験にはこのレベル、といった具合に統計によって抽出した頻出単語をリストにしたものだ。

 

そう、基本的にはただのリストなのだ。
聖書のように崇め奉るものではない。

 

じゃあ、何故そのリストが有効なのかというと、「覚えなくてはいけない単語」「知らなくてもいい単語」を自分では判断できないからだ。
単語帳を使えば、「単語帳に載っていれば覚える必要あり」と明確な判断ができ、必要な単語を狙い撃ちで覚える事ができる。
知らない単語を全部覚えるなんて無理だから、単語帳で覚える対象を絞ってしまうワケだ。

 

 

「単語帳なんて使うな!」という意見はつまるところ、「リストにかじりついて単語を丸暗記するなんて時間の無駄だ」という事である。これは正しい。無機質なデータのように単語が並べられたリストを歯を食いしばってガリガリ暗記するのは結果に繋がりにくい。
受験生の時は”勉強が仕事”であり、勉強に費やす時間はいくらでもあった。でも今は違う。時間はかなり限られている。

 

問題集で出てきた知らない単語を自分でリスト化するという手段もあるが、正直、時間と手間がかかるので、手っ取り早く覚えるべき単語リストを手にする。
それが単語帳を購入するメリットと言える。

 

 

リストにかじりついても記憶に定着しない。
でもリストが無ければ「覚えるべき単語のなのか」という判断ができず、試験の目標に対して遠回りをする事になる。

 

このジレンマを解消するにはどうしたらいいか。
実は最近の英単語帳はただのリスト型ではなく、色々な種類がある。
それらの種類を知り、使い分ける事が近道になる。

 

 

 

3. 単語帳の種類と使い分け

 

無機質に並べられた単語をいくら暗記しようとしても効率が恐ろしく悪い。
次の日になれば半分忘れ、その翌日にはその半分も覚えていないかも知れない。

 

しかし、僕らが受験生だった頃から比べて英単語帳はかなり進化している。

 

昔から売れている受験生向けのベストセラーは今もあまり変わらないが、とくに競争が激化しているTOEIC業界では、至るところに工夫を凝らした単語帳が多く発売されている。TOEIC対策用の単語帳は無数にあるが、大きく3つのタイプに分けられる。

 

 

1つ目はリスト型。

 

ただただ単語がズラズラ並べられており、意味と短い例文が添えられている昔ながらの単語帳。
有名どころではスピードマスターやキクタン。

 

キクタンの特徴は音声がテンポの良いBGMに合わせて流れる事。
このテンポに合わせてサクサク覚えていく事で効率化を計ったもの。

 

この方式、合う人と合わない人がハッキリ別れる。
英語学習を長年やっていると自分に合うかどうか分かる(ちなみに僕は合わない)けれど、英語学習を始めたばかりの人は分からなくて当然。リスクを避ける為にも、最初の1冊としてはオススメしない。

 

また、リスト型を使うのは上級者が多い。
上級者になればなる程、知らない単語が減っていくワケだけど、さらに語彙力を伸ばそうとすると単語帳としてはリスト型しかなくなってくる。
今、売られている単語帳で一番難しい単語が多く載っている単語著は「究極の英単語」シリーズのvol.4あたりだけどそれもリスト型。

 

いずれにしても、英語を克服すべくこれから英語学習を始めるにあたってはリスト型はオススメしない。

 

 

2つ目は得点重視型。

 

英語力というよりも、とにかくTOEICでとりあえず500点〜600点くらいを取りたい時はこのタイプがオススメ。
特徴としては、得点を最短で上げるための情報が多く盛り込まれている点と、TOEICの頻出単語の選定精度が高い事。
たまに、「頻出!◯◯語」といいながら全く精度がないものもあるので注意。

 

得点力に繋がる情報というのは、例えば;

 

”salary”だけでは600点は超えられない。compensation, wage, paycheckをセットで覚える

 

リスニングで”How often”ときたら”every”を待て!
“How often does the bus come at this time of a day?”(この時間帯はどれくらいの間隔でバスが来るの?)
“”Every 15 minutes.”(15分おきだよ) 

 

 

といったもの。
特にリーディングセクションで威力を発揮する。

 

 

このタイプの単語帳でオススメのものをコチラで紹介していいます。

↓ ↓ ↓

<TOEICを過去に受けた事がなく英語に自身が無い人>

TOEIC 参考書 評価レビュー VOL.5 「はじめての新TOEICテスト 全パート単語対策」

<TOEIC受験経験があり500〜600点は取得済みの人>

TOEIC参考書 評価レビュー VOL.7 「新TOEIC TEST出る単特急 金のフレーズ」

 

 

3つ目は例文重視型。

 

これは先ほど書いた、「人間の脳ってのは、言葉は文脈の中で覚えるようにできている」という理論に基づいて作成されたもので、とにかく「例文の中で単語を覚えていく」という点に重点を置いている。

 

「リスト型」や「得点重視型」と比べると例文がかなり長く、その中に頻出単語を盛り込んでいる。
音声を聞き、音読をする仕組みだが、他の2種類と比べてかなり記憶に残り易い。

 

例文はもちろんTOEICに照準を合わせたオフィス、会議、展示会、出張などの場面なのでリスニングで威力を発揮する。

 

 

このタイプでオススメなのはコチラで紹介中。

↓ ↓ ↓

TOEIC 参考書 評価レビュー VOL.6 「新TOEICテスト 出る語句1800」

 

 

4. で、結局オレにはどれがいいんだ?

 

3つの種類を紹介したが、じゃあ結局どれを買うべきか。
置かれた状況や目標によって異なるが、大別すると下記のようになる。

 

【TOEIC受験経験が無く、英語も苦手。会社で英語を使うワケではないが、会社に言われたので半年以内にとにかく640点必要】

→ 得点重視型

 

【TOEIC受験経験が無く、具体的な期限はないが、いずれ730〜860点くらいを狙いたい】

→ 得点重視型 + 例文重視型

 

【TOEIC受験経験があり、現状スコアは600点未満】

リスニングが弱い → 例文重視型
リーディングが弱い → 得点重視型

 

 

このように、自分の状況、レベル、課題に合わせて選ぶ事が肝心。
リスト型を入れていないのは記憶への定着が悪く、良書が少ないから。

 

ただ、どれを買っても途中で投げ出しては意味がない。
単語帳を使って学習するコツは極力短期間で何周もする事。
最初の1冊なら最低10周はするつもりで。

そして、問題集などで出会った単語が単語帳にも載っていたら「既出」である事がわかるように書き込んでいく事。

 

単語帳はきちんと使えば、効率的に単語知識を増やしてくれる。
当然、TOEICでは知らない単語が減るので楽になるし得点もあがる。

 

ただし、何も考えずに本屋で平積みされている「売れてるもの」を手に取るのは危険。
一瞬であなたを挫折に追い込む危険があるから。

 

是非、自分にあった1冊を見つけて取り組んで欲しい。

 

 

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